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(2) ワンマンオペレーション

試験期間後半の時期に、近代化設備の有効性を総合的に評価する目的で3人運航を想定したワンマンオペレーションの試験を実施する。前述した「統合操船システムの有効性」に関するデータおよび「機関室のモジュール化およびMO化の有効性」に関するデータをワンマンオペレーション実施時においても取得し、それぞれ検証を行った上で総合的にワンマンオペレーションの安全性等について検討を加える。

ただし、航行の安全を確保するためワンマンの運航はダミーオペレーションとし、補助者は通常の運航時と同様に登橋してスタンバイしておくものとする。

 

(3) 近代化船の経済性

近代化船の経済性を検証するために、以下の事項を検討の対象とする。

? 港内操船におけるアクチュエータシステムの経済性

港内操船におけるアクチュエータシステムの経済性を次のように考える。

経済性(港内操船)=f(所要時間)

「経済的である」<=「港内操船にかかる時間が短い」

「経済的でない」<=「港内操船にかかる時間が長い」

 

港内操船におけるアクチュエータシステムの経済性は、港内操船にかかる時間でもって検証するものとし、アクチュエータシステムを使用しての着離桟操船と在来モードでの着離桟操船での所要時間を比較する。港内の地形環境(航路長さ等)、自然環境(風、潮流等)および着離桟操船の方法により港内操船の所要時間は変化するので、港内の地形環境等の影響を考慮した上で、港内操船の所要時間を比較する。

一方、強外力下での着離桟操船の実績により、アクチュエータシステムの経済性を検証する。

 

? 荒天航行におけるアクチュエータシステムの経済性

荒天航行におけるアクチュエータシステムの経済性を次のように考える。

経済性=f(就航率)

「経済的である」<=「就航率が高い」

「経済的でない」<=「就航率が低い」

計画航海に対する実績を一元的に就航率として扱う。内航近代化実証船の試験期間と同時期に就航している同船型の実績データと比較し、荒天航行におけるアクチュエータシステムの経済性を検証する。

 

 

 

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