日本財団 図書館


討論

ネールラン: 先程訓練の話が出ましたが、石油連盟はIMOの訓練コースについては検討なさったのでしょうか。これは0PRCの作業部会が第一対応者、現場指揮官、マネージャー等、いろいろな人を対象にやっているものですが。

西垣: 我々もその様なものがあることを知っておりますし、情報も手に入れておりますが、とりあえずは資機材を動かせる人をなるべく増やしたいのです。その後の段階として現場指揮官やシステムの管理者の訓練を考えております。石油連盟の訓練コースの中にはなく、むしろシンガポールのEARLに依頼したいと考えております。海外研修で早急に人材を育成して、更にその後日本でやっていこうと考えております。現にそのように今年も計画しており、去年と今年で2度目のシンガポールでの研修を考えているところです。

武藤: 貸し出し機材のリストを拝見すると、オイルスキーマー、ビーチクリーナー、ポータブルタンク、どちらかというと殆とが外国製品のようですが、日本製品は適合しないというお考えなのでしょうか。

西垣: 特に日本のものを避けたわけではありません、日本製品で我々が望んでいるような性能のものがなかったということです。先程申し述べたように、20年以上にわたって日本では大きな事故がありませんでしたので、メーカーとしてもそういうものをつくっても販路がないということで、製造されていませんでした。

我々が考えたのは、国際的に最もポピュラーなもの、しかも耐久性のあるもの。つまり、これは世界的に見て使える人が多い方が良いので、なるべく多くの人が使っていて、しかも耐久性があるということが証明されているようなもの、そういう基準で探しました。

武藤: オイルブームもそうですか。

西垣: 国内のオイルブームについては、ご覧いただけるように固形式のオイルフェンスを備蓄しております。これは国産品で立派なものがあります。これを当初から2万m持っています。しかしながら、充気式ということになると、国内には殆ど製品がありませんでした。充気式は、我々の事業のコンセプトとして、貸し出し要請があったらどこへでも運ぶという観点から見ますと、コンパクトで非常に便利だということです。

鈴木: 先程ネールランさんがご質問したIMOの訓練プログラムの一部については、海上災害防止センターの横須賀に研修所がありますが、ここに流出油の防除コースというものがあります。この油防除訓練コースの中でIMOの訓練プログラムに沿った訓練を実施しております。

ゲインズフォード:ダイヤモンド・グレース号の場合に使われた資機材はどの様なもので、その効果はどうだったのでしょうか。

西垣: ダイヤモンド・グレース号のときに貸し出したのは、固形式のオイルフェンスと、GT185を二つ、それから、ファスタンク(ポータブルタンク)ということでした。ファスタンクは8個貸し出しましたが、実際に使われたのはダイヤモンド・グレース号の周りに展張したオイルフェンスだけでした。オイルフェンスは高さ115cm(45cm freeboad, 70cm draft)のものですが、それで十分に役に立ったと聞いております。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

  

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION