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5 ペカシ複々線化計画のプレF/S

5-1 工事費算定条件

 

見積条件として現地での1997年10月時点の次の交換レートを使用した。

US$1.00=JーYEN 120=Rp.3,600

土木および設備費については、前述の概略計画により工事数量を算出し、車両については、当面ベカシ複々線化に運用される電車として120両分とした。また、資金調達は5年間の工事期間を基に毎年の必要資金を算出した。

 

5ー2 運転・維持管理費

 

現在のPERUMKA・DAOP-1の実績を基に複々線化が完成する2005年以降を経費発生として見込んでいる。また、運転経費は主に動力源となる燃油ディーゼルおよび電車用のPLN電気料とし、維持管理費は運営上の人件費、施設の修理費および車両の部品調達費等を考慮した。

さらに複々線化による運転・維持管理費の増加分を含めて算定している。

 

5-3 運賃収入

 

複々線化による東西直結の幹線運転および通勤専用線による電車運転を主な運賃収入とした。現在の運賃を基に定期上昇を含め、都市間の乗客分、通勤乗客分および貨物分を方向別に算出した。また、将来の需要予測については、類似の別途調査のデータをベースにして主に車両運転増分を基に予測収入および増分収入を算出した。

 

5-4 時間便益

 

複々線化による列車運転時間の短縮を主な時間便益として算出し、専用の新線の通勤客については、在来バスの使用時間との差を時間短縮の便益とした。なお、時間単価については最近の類似調査報告書を基に物価上昇を考慮して算出した。

 

5-5 財務分析

 

前述のとおり、初期投資、運営費を算出し、さらに同様に複々線化後の運賃収入を対比し、費用/収入のキャッシュフローを算出した。鉄道設備の耐用年数より、40年間での内部収益率(IRR)を算出するとFIRR=11%となり、当プロジェクトの妥当性が示された。

 

5-6 経済分析

 

財務分析と同様に、時間便益との対比を行い費用/便益のキャッシュフローを算出した。同様に40年間での内部収益率(IRR)を算出すると、EIRR=24%となり、財務分析と同様に当プロジェクトが経済的に妥当であることが示された。

 

 

 

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