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4. セッション3「日本国鉄の機構改革」

国際観光振興会 井山嗣夫会長

 

1 日本の鉄道の種類

 

日本の鉄道には、経営形態からみて大きく3つの種類がある。

第一はJRグループの鉄道で、1951年までは国の直営であったが、1951年に国が出資する「公社」となり、さらに1987年にJR7社に分割された。JR7社は、新幹線を初めとして国内の都市間を結ぶ幹線輸送と都市内の輸送、さらに貨物輸送を担当している。

第二は、民営鉄道で、民間が出資する株式会社が経営している。民営鉄道は、主として主要都市内の輸送と都市と近郊を結ぶ輸送を担当している。

第三は、公営鉄道で、大都市が直営で、又は大都市が出資した事業が経営している。公営鉄道は、大都市内の輸送を担当しており、主に地下式の鉄道である。1960年以降に整備されたものが多い。

 

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2 国鉄(JR)の輸送状況

 

(1)国鉄の輸送状況は、資料2のとおりであり、旅客輸送の分野では、1960年までは全旅客輸送量の1/2以上を占めていたが、道路の整備や自動車の増加により近距離輸送は自動車が大きい役割を果たすようになった。その結果、国鉄の旅客輸送の全旅客輸送量に占める割合(シェア)は低くなったが、輸送量そのものは着実に増加しており、現在でも新幹線を中心とする中長距離の都市間輸送や都市内輸送の分野ではきわめて重要な輸送機関である。

 

(2)又、貨物輸送の分野では、1960年より前には全貨物輸送量の1/2以上を輸送していたが、1960年以降は全貨物輸送量に占める割合(シェア)も、輸送量そのものも減少傾向にあり、この傾向は今後とも続くと思われる。代わって高速道路網の発達と貨物自動車の大型化により自動車の占める割合が毎年高くなっている。

 

 

 

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