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【インタビュー】

国境を越えた多様性を

星野昌子(日本国際ボランティアセンター特別顧問)

Masako Hoshino

 

――今回の会議のテーマは「日本社会における個人」ということでしたが、今の日本でフィランソロピーという考え方は個々人の中でどうとらえられているとお考えですか。

フィランソロピーとは、「社会をよりよくするために寄付をしたりボランティアを行ったりすること」と言えるかと思いますが、これはボランティアという言葉が示す通り「自発性」と大きな関わりを持っています。社会を良くするために、個々人が「自分はどうしていきたいのか」といった考えを主体的に持っていること

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が必要だからです。

今までの日本社会は、むしろ主体性などないほうが効率よく渡ることができました。決められた枠の中で、与えられた役割を演じることがもっとも尊重されてきたからです。しかしここにきて、価値観の転換が起きています。終身雇用制が崩壊しはじめ、組織の色に染まった人よりも、抜きんでた能力を持ち、これまでの枠をはみ出してしまうような人材が求められています。

そうした中で、自分は何ができるのか」といったことを考える「主体性」や

 

 

 

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