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鹿児島県の事例

 

訪問時に注意すること

●高齢者の特質を理解すること

高齢者と子どもと比べてみると、その特質がよくわかります。

●高齢者の気持ちを理解する

いたずらに「年寄り扱い」することは、高齢者の気持ちを逆なでするものです。「まだまだ若い者には負けないぞ」といった高齢者の心理を良く理解して接し、指導するのが安全指導をより効果的なものにする決め手ではないでしょうか。

●高齢者を周囲から見守って

高齢者の感情には特有の不安定さがありますので、おしつけがましく言わないで周囲の人が温かく見守って、高齢者自らが安全な行動をとるように仕向けることが最も大切なことです。

●高齢者自らの意志と努力で

今の「くるま社会」の中でいたずらに高齢者を“特別扱い”することは却って高齢者の“老い”を早め安全意識を高めることもできません。

 

話をするうえでの注意

指導者は高齢者の気持ちを良く理解し、次のようなことに留意して話し方にいろいろ工夫を加え、交通安全を高齢者の心にしっかりと刻み込むようにする。

●高齢者の関心を引くような話の材料を多く集めて行う

事故事例やその防止に直接関係する資料は言うまでもありませんが、そのほかに、地域の生活や日常の出来事など話題にし、高齢者の共感を得ながら道路や車というものに関心を向けさせる。

●統計的な数字のら列はできるだけ避ける

統計的な数字をならべても高齢者のほとんどが耳を傾けません。「高齢者の事故は○○町で○○件起きています。これは60歳以上の町民の100人に○○人が、交通事故のために死んだり怪我をしていることになります。」などと交通事故を高齢者の身近なものとして話せば、グッと理解されやすくなる。

●できるだけ身近な中例を中心にすること

安全指導をする場合「全国においては……」などと言っても話は他人ごとのようになってあまりピーンときませんし、実感がわきません。それよりも「○○商店の前では……」「○○さん方の前の交差点では……」と言ったほうが、身近でいっそう効果的です。

 

●一方的な講義口調をやめる

“高齢者に話かけ一緒に考える”と言う話上手の姿勢や態度が強く望まれます。話す内容は出来るだけ整理して、大事なポイントを印象づけるように、ユーモアを交え高齢者と対話する思いやりのある気持ちで話を進める。

 

 

 

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