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7 世帯訪問

 

世帯訪問は、交通安全母の会の地域活動の中でも、最も重要な活動形態です。この場合、全家庭を訪問しようとすると、世帯構成や意識がそれぞれ異なっているため、アピールの仕方が複雑になり、またその内容もぼやけます。高齢者の事故多発という点からも、世帯訪問は、特に高齢者の世帯を中心として運動を展開することが効果的です。孤独な生活の高齢者が多いだけに、この世帯訪問は交通安全に限らず、高齢者対策としても非常に大きな意義があります。

高齢者の世帯を訪問する場合、地区を限定するとか、世帯を区分して訪問することも1つの方法です。高齢者の交通事故が多発している地区を限定して高齢者世帯を世帯訪問しているところもあります。また、全部の高齢者世帯も訪問するのに、3カ年計画で行うといった方法や、母の会の会員が常時6〜7人の高齢者の世帯を受け持っていて順次訪問しているとろこもあります。このように、高齢者世帯への世帯訪問は各地それぞれ工夫して行われています。

ここでは、高齢者世帯の世帯訪問を計画するに当たって留意すべき点を記しておきます。

 

1 世帯構成

 

高齢者世帯には、三世代世帯、核家族世帯、単身世帯があります。このうち、三世代世帯の構成比は減少し、単身世帯や核家族世帯のそれは増加傾向にあります。世帯訪問のとき高齢者への話しかけも、世帯構成によって内容が違ってきます。単身世帯では、高齢者自身への話かけになりますが、核家族世帯では同居の夫婦に、三世代世帯では高齢者のほか、主婦や孫にも心づかいが必要になります。このため、世帯訪問のときに持参するチラシやパンフレットも世帯によってその内容を考えることも必要になってきます。

ひとり暮らしの高齢者を訪問したところ、地域によっては「なぜ私のところだけ」というようにせっかくの世帯訪問に反感を持たれるケースも出てきますから、高齢者の感情を損なわない十分な配慮と行動が必要です。

 

2 高齢者に対する話し方

 

高齢者に対しては、敬老の精神を忘れずに、身体と心の特徴をよくわきまえたうえで説明する必要があります。参考までに、鹿児島県で作成された「高齢者家庭交通安全一訪問指導の手引」の中から、主なポイントを紹介します。

 

 

 

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