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2 活動の方向

 

1 家庭教育を通しての安全教育

交通安全母の会の活動は、大きく分けて2つの方向があります。

1つは、家庭教育を通じての安全教育です。母の会の会員がまず自分の家庭での交通安全教育をしっかりと行い、つぎに地域のすべての家庭に交通安全教育を普及させていくことです。わが国の家族構造は、年とともに大きく変化しており、三世代世帯が減少し、核家族世帯やひとり暮し世帯が増加しています。この傾向は今後とも継続していくことが予想されます。

ここで気になるのは、家庭内で高齢者に対する思いやりや高齢者自身が自覚に欠けているといわれていること、家庭での幼児教育や、非行少年・暴走族が跡をたたない状況に対応した青少年教育のあり方などです。家庭での交通安全教育の中で、親の役割など家庭教育のあり方を考え、改善していくことは将来の日本にとっても非常に重要なことです。

 

2 地域活動

 

2つには、地域活動です。一口に地域活動といっても、都市と農村、工業都市と観光都市というように人口構造、経済活動、生活態様、交通行動などそれぞれ異なり、当然交通事故の状況もさまざまです。このため、母の会が地域での交通安全運動を展開するためには、まず地域の環境と交通事故発生状況の特徴、その主たる原因を把握したうえでどのような運動を展開するかの方針を定め、計画をたてる必要があります。ボランティア運動は多くの会員の方々の尊い無報酬の努力の上に成り立っています。それだけに、母の会の活動はより計画的で、より効果的でなければなりません。

母の会の活動を効果的にするためには、対象や区域または期間をある程度限定して実施することが必要です。例えば、高齢者の交通安全のための世帯訪問の場合でも、地域の高齢者の交通事故の発生状況を見て、訪問世帯の区域を限定するとか、家族からアドバイスを受けることのないひとり暮らしの高齢者世帯に重点をおくなど、交通事故を分析した結果によって、活動することが必要です。

また、交通安全運動を一過性のものに終わらせないためには、年間または月間を通じての活動計画を作成する必要があります。母の会の活動と密接な関係

 

 

 

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