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4.4. 一面剪断試験

4.4.1.試験装置及び試験方法

試験に用いた装置は、丸東製作所製簡易一面剪断試験機S01型で、剪断箱内径(供試体直径)は60mmである。この装置は、剪断箱の中にセットされた供試体の上面から重錘により荷重をかけ、剪断箱のうち上箱の水平変位を拘束した状態で下箱を駆動し、その際に上箱を拘束するのに要する力を計測するものである。

一面剪断試験用試料の最大粒径は6.7mmとし、供試体の厚さは約28mmとした。これは、供試体厚さは直径の1/3を標準として1/2程度まどに抑えるべきこと、及び、供試体厚さは試料の最大粒径の4倍以上が推奨されていることによる。なお、供試体下面から剪断面までの高さや約14.9mmであった。

試験の規格に沿って、剪断速度は1mm/minとし、抵抗剪断力は、剪断力が明確なピークを示した場合はそのピーク値、剪断力が明確なピークを示さない場合は、剪断変位8mmの時の剪断力を採用することにした。

剪断力はロードセルで、また、剪断変位(剪断箱の水平方向のズレ。水平変位)及び供試体上面の上下変位(供試体の体積変化)はピックアップ付きのダイヤルゲージで検出し、歪みアンプを介して電圧信号をA/D変換器により記録した。

試料の本分調製は実験の前日までに行った。供試体は、適宜締め固めを行いながら、試料を剪断箱の中にマニュアルで挿入することにより形成した。その際、供試体を形成するのに要した試料の質量を求めた。圧密は、それぞれの実験における直圧力で5分間行い、圧密後の供試体の厚さを計測した。

A/D変換の結果は、A/D変換器内で較正係数を乗じてメモリーカードに記録され、PC上で零点が補正される。このデータに基づき、抵抗剪断応力及び体積歪みが計算され、抵抗剪断応力及び抵抗剪断応力を解析した剪断変位(ピーク位置または8mm)における上下変位が読みとられる。なお、一面剪断試験における体積歪みは、供試体の厚さの変化を元の厚さ(圧密後且つ剪断開始前の厚さ)で割った値である。

試験は各水分値の試料について、直圧力を変化させて5回実施した。

4.4.2.テウディエ鉱に関する試験結果

図4.4.1(1)〜4.4.1(6)は、テウディエ鉱に関する一面剪断試験により得られた剪断変位と剪断応力及び体積歪みの関係を直圧力をパラメータとして表したものである。これらのグラフに基づき、剪断強度を求めた結果を図4.4.2(1)〜4.4.2(6)に示す。図においてeで示した間隙比は、剪断開始時のものではなく抵抗剪断応力解析時のものであり、見かけ密度ρは抵抗剪断応力解析時のものの平均値である。また、tanφ及びγはそれぞれ抵抗剪断係数及び粘着力を表す。

4.4.3.ゲベ鉱に関する試験結果

テウディエ鉱の場合と同様に、剪断変位と剪断応力及び体積歪みの関係を図4.4.3(1)〜(6)に、剪断強度を図4.4.4(1)〜(6)に示す。

 

 

 

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