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3.2.1.18 放射性物質等の輸送

 

放射性物質等の運送は、他の危険物とは異なる取扱いが行われる場合があるので、それらの概要を以下に述べる。

イ)積載方法に関する一般的注意事項

? 放射性輸送物の熱等により運送中の安全が損なわれないように、他の貨物と十分離して積載すること。

? 放射性物質等を専用積載により運送する場合、その荷役作業は放射性物質に関する十分な管理能力がある荷送人又は荷受人の指示の下に行うこと。

? 関係者以外の者が放射性物質等の積載場所に立ち入らないように措置すること。

? 食糧の積載場所から離れた場所に積載すること。具体的には、甲板下積載の場合は別の船倉又は区画に、甲板上積載の場合は6メートル以上離して積載すること。

ロ)輸送指数による積載の制限

? 輸送指数(TI:Transport Index)が10を超える放射性輸送物若しくはオーバーパック又は輸送指数が50を超えるコンテナは運送禁止。

? 同一の船倉、区画又は甲板の一定区域に積載する放射性輸送物、オーバーパック及びコンテナの輸送指数の合計は50以下。

ただし、大型コンテナのみを運送する場合(輸送指数200まで)及び専用積載(輸送指数制限なし)を除く。

? 放射性輸送物、オーバーパック又はコンテナを船倉、区画等において数個をまとめて(以下「集貨」という。)積載する場合、それぞれの集貨の輸送指数の合計は50以下。

? 1船舶当りに積載できる輸送指数の合計は、200を超えないこと。

ハ)船舶に係る線量当量率

船舶に係る線量当量率は、放射性輸送物の種類、輸送指数等から判断するか又は測定機器により測定するかよって次の制限値を守ること。

★船舶の表面(船舶の外板、船倉、区画又は甲板の表面をいう。):毎時2ミリシーベルト以下

★船舶の表面から2メートル離れた位置:毎時0.1ミリシーベルト以下

ただし、放射性物質等を積載する船倉、区画の内表面、甲板の一定区域の上表面及び運送中に乗組員等が容易に近づくことができない表面を除く。

ニ)放射線防護

危規則では、船長に対して以下のような義務を課している。

? 立入制限区域の設定

週300マイクロシーベルトを超えて船内に在る者が被ばくするおそれのある場所の周囲には立入制限区域を設けて、関係者以外の立入を制限し、その場所には標識を掲げること。

? 被ばく管理

 

 

 

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