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学びました。お互いに補い合い、励まし合って築いた信頼感、友情。お互いに嫌な面が見えたり、口げんかした事もありました。しかし、解剖実習という一つの事柄に向かって班内の二人で取り組めたこと、その連帯感は今でも私の心を温かく包んでくれている気がします。

実習最終日、実習台から棺に御遺体を移動する時に私の腕に感じた重みは、実習開始日に感じたそれとは全く異ったものでした。実習が終了した達成感もありましたが、それ以上に感謝の念と一抹の淋しさ、そして自分は自分なりに頑張ったつもりだが、もっと頑張れたのではないかという自責の念、さらに、これからも御遺体が私達に託したものを胸に抱いて頑張っていこうという気持ちでした。

これらの気持ちは実習の最後に味わった幾つもの感情が入り混ったものではなく、解剖実習したことで得たものに裏付けされた確固たる気持ちでした。

御遺体の方が「献体した甲斐があったよ。」と天国で言って下さるように、これからも頑張ろうと思います。「安らかにお眠り下さい。」

 

解剖学実習を終えて

 

岩下 晋輔

 

医学概論の講義に白菊会会員の方が来られていたが、不思議な気分だったのを覚えいています。白菊会会員として集まった皆さん

 

 

 

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