日本財団 図書館


右手麻痺ですが…

田畑浩司

私が献体を思いつきましたのは、遠い昔の一九五六年の頃です。当時、鹿児島の国鉄工場にいましたが、たまたま門司港まで出張があり、その帰りに左手のことで、九大病院の第二内科に診てもらったことがあります。その結果、入院していろいろと検査をし、わかりましたのが、進行性筋萎縮症という病名だったのです。握力も当時二十ぐらいあったのですが、今は零で赤ちゃんと同じぐらいです。

それから結婚して職場も色々と変わり、現在当地に住んでおります。実は、五年前に脳出血で倒れて右側が不自由ですので、労災病院に通っております。

昨年の十月に担当の主治医に献体のことを相談しましたところ、笑っておられました。

私の気持ちとしては、自分が生かされてきた感謝の気持ちを、少しでも若い方々のお役に立てたらうれしいと思っておりました。たまたま病院に勤めていましたGさんにお話しましたところ、ある日、生協の本を持って来てくれました。その本に白菊会のことが書いてあったのです。早速入会書を送ってもらいましたが、承諾書のことで色々と子供たちと意見の違いがありましたが、私の考えに同意してくれました。今、妻と二人で生活しておりますが、これで安心して生活できます。

又、残された人生をできるだけ楽しく、有意義に役に立てたらと思っております。

末筆になりましたが、右手に麻痺があるために、自分の手ではこれだけの文章は書けませんが、今ワープロの練習をしておりますので、お礼のお便りを差し上げることができ、大変うれしく思っております。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION