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入会する迄に

宮川段代

前略、暑中御見舞有りがとうございました。入会の動機と言えるかどうかとペンをとりました。と言うのは、二十二、三年前、主人が自分なりの考えで、何時のまにか入会(会員番号二〇七)していたのです。最初の数年間は献体なんてと随分と抵抗が有りました。其の後も、私も入会しようかと、なやみ続けました。でも、毎年送附して下さる白菊会報を拝読する度、少しずつ理解し、成程と考えが変わりつつ、納得が行く様になりました。

私は、父、母、弟とそれぞれのガンで亡くしました。人間、死を迎えて火葬するのは普通の行事だと思いますが、何だかすぐ骨にするなんて勿体ないと思い、少しでも医学のお役に立てばと思い、今では何の抵抗もなく入会させて戴きました。現在子供達もそれぞれ獨立し、孫は孫なり自分たちのみちを歩いて居ます。現在七〇歳を過ぎ、二人で一人前とでも言いましょうか、何とか毎日健康に気をつけて余生を送って居ます。

簡単では有りますが、入会と同時に医学生の皆様を初め、会員の皆様他よろしくお世話様になります。

尚、成願された会員様のご冥福を心からお祈りしながらペンを置きます。

 

 

 

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