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春を待つ

中村千代

春の光を浴びて、木芽が空に向かって艶やかに伸びて、すばらしい生命力を感じます。

今年の年賀ハガキに、この春、中学生になる孫から『僕はお医者になって、おぢいちゃん、おばあちやんが病気になったら、治してあげたい』と決意を書いて参りました。とてもうれしく大きな生きがいです。

私の育ちは、小学唱歌「われは海の子」とそっくりな、「生まれて海に湯あみして、波を子守の歌と聞き』ながら、七十三年を生かさせていただきました。

浜辺に立って、本土通いの連絡船が、汽笛を引いて、出て航くのを見ていますと、新潟へ新潟へと流れて行く雲に、私の気持も乗せて行きたいなと思うこともあります。私の献体の決意を受けて下さった大学のご厚意を感謝しています。

 すみよしの浦磯波に洗われし   まろき石ぶみ君愛しをふ

 

 

 

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