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私と献体

古賀操子

息子が四、五才の頃、教会の日曜学校で覚えた教理をいつも私に答えさせていました。

「人間のおもな、最高の目的は何であるか。」

「人間のおもな、最高の目的は、神の栄光をあらわし、永遠に神を全く喜ぶことである。」

私が献体登録の決意をした時期は、この息子が高校入試の発表で合格した日でした。家族の承諾を得るためには、主人にはもちろんのこと子供にも充分に理解して貰う為、書類は半年前に前会長の斎藤さんから送付して貰い保管していました。献体登録後、人体の神秘さは、医学生の謝辞の中で述べられていることを知りました。医学生が解剖学によって人体の精緻なることを悟り、医者になろうとする自覚の第一歩であることも知りました。

更に医学生の感謝の心を表した小冊子を読むにつけて、献体したことは本当によかったと思っています。自分はクリスチャンとして、当時四十代後半で神に生かされている恵みを、感謝の気持ちとして表したかったのです。

わたしも幼少から、さまざまな病気を患いました。その中で特に病名を三つ上げれば、足の骨髄炎の手術、口腔内の唾石の手術、両足の静脈瘤の手術等ありますが、幸に神様の守りと医師の尊い執刀によりそれぞれに回復をし、今日を生かされております。尚、白菊会の一会員でありましたが、ただいまは役員として籍をおかせていただいております。

わたしは生涯現役で、語り部(公民館で昔話を語ったり絵本読みをしています。)として子供たちと至福の時間をもち続けたいとおもいます。安息日には礼拝を守り神様のみ旨に従いて生涯を終わりたいと思います。これからも、一日一日を充実して生きたいとおもいます。

天国への凱旋後、どうか私達の献体によって、医学生が開眼され人格形成のうえにおいても医師としても尊敬され、祈りの医師になって下さることを願います。

 

 

 

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