日本財団 図書館


第5節 鳩ヶ谷市におけるアプリケーション・パッケージ利用の現状と課題

 

5-1 アプリケーション・パッケージ利用の背景について

 

(1)はじめに

鳩ヶ谷市は埼玉県の南に位置し、人口5万5千余人、行政面積では市で下から2番目の小さな地方公共団体です。平成6年3月、クライアント・サーバ方式のネットワークシステムで、住民記録を電算化し運用を開始しました。これが全国の地方公共団体で最初のクライアント・サーバ型住民記録の運用になり新聞等で報道され、かなり有名になりました。クライアント・サーバシステムの先駆団体としてご評価をいただいていますので、鳩ヶ谷市の事例紹介も、クライアント・サーバの方式であることを明記しておきます。

 

(2)システム化の経緯

システム検討は平成3年に遡ります。平成7年の新庁舎開庁時を運用スタートにした新システムの姿を検討していました。そんな時、情報処理の新しい流れを感じさせる出来事が起きました。外国の巨大なコンピュータメーカーが赤字になったという報道でした。調べてみると、ダウンサイジングと言う、大型機から小型機へのシフトが起きていました。パソコンに代表される小型機が高性能低価格になってきて、相互に通信ケーブルで接続されることで、全体が総合的に機能し、大型機以上の実績を上げている例が報告され始めていました。新庁舎で運用するシステムとして、安定した従来型のメインフレームを採用するか、それとも新しい時代の新しいシステムを採用するか、幹部職員の論議をいただきましたが、「21世紀を見据えた庁舎にふさわしいシステムを」ということになり、コンピュータネットワーキングの将来性を評価し、クライアント・サーバ方式でのシステム化という庁議決定に至りました。

平成5年4月、住民記録システムの発注となりましたび、その時点で本番運用できるようなクライアント・サーバシステムは、どこにもありませんでした。したがいまして、住民記録はアプリケーション・パッケージの使用ではありません。最も具体的で実現可能性が高いと判断し契約したシステム業者が、パッケージ化を目的に開発を進めていたものをベースに、鳩ヶ谷市の実例や要望を取り入れながら完成させてゆきました。新規開発として発注したわけではありませんでしたが、実質的には新規開発と同じ手順でした。フ

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION