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第5章 事例編「アプリケーション・パッケージ利用の現状と課題」

 

第1節 福井県におけるアプリケーション・パッケージ利用の現状と課題

 

1-1 アプリケーション・パッケージ利用の背景

福井県においては、各種統計情報等を体系的にデータベース化して検索、加工することにより行政事務の効率化と行政の意思決定を支援することを目的として、FINDS(福井県行政情報共同利用システム)を昭和63年度から平成6年度の間に順次開発・運用を行ってきた。このFINDSは、基本データベースシステム、所在源案内システム、加工分析システム、政策支援システム及び地図情報システムの5サブシステムで構成されており、政策支援システムまでの4サブシステムは汎用機のリレーショナルデータベースを基本としてCOBOLと統計解析パッケージシステムによる独自開発を行い、システムとデータのメンテナンスも職員により行っている。

一方、地図情報システムはUNIX機のアプリケーション・パッケージをプラットホームとし、GUIによるユーザーインタフェースを含む独自機能の追加を行い委託による開発を行った。また、その際のアプリケーション・パッケージ採用の理由として次のことがあげられる。

・データ整備(地形情報、属性情報)に多数の工数を要した

・システム全体の陳腐化を避けるため、できるだけ短期間での開発が必要であった

・GUI環境による計画支援型(意思決定支援型)のシステムを構築する必要があった

 

1-2 アプリケーション・パッケージ選定における体制

システムの開発に当たっては、課内に開発グループを設け、アプリケーション・パッケージ(GIS)の基本機能、実現できるであろう機能、また、今後発生しうるであろう要件を含めた、利用者としての要望を全所属に対して調査を行った。調査内容としては業務ごとに利用可能な機能、地図データの精度、属性データの種別、精度を選択式で行い絞り込みをかけた。また、FINDSの5番目のサブシステムであることから、各所属が汎用機やパソコン等で保有する豊富なデータが利用可能なシステムとしての開発を目標とし、これらの要件に基づき、業者による提案プロポーザルを行うことによって、アプリケーション・パッケージの選定と業者選定を行った。

 

 

 

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