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第2節 行政分野におけるアプリケーション・パッケージの概要

2‐1 地方公共団体にとつてのアプリケーンヨン・パッケージの意義近年の行財政改革の流れの中で、地方公共団体も業務の効率化,高度化,行政サービス水準の向上を求められている。平成7年5月に自治省が示した「地方公共団体における行政の情報化の推進に関する指針について」(以下、『自治省行政情報化指針』)では、近年進展の著しい情報処理技術及び通信技術の成果を導入して、新しい住民ニーズへの対応、行政事務の一層の高度化・効率化を図ることとしている。一方で、経済環境の低迷に伴う税収の減少により、地方公共団体の財政事情は厳しい状況が続いており、行政情報化の進展のために人員や予算を増加させることは困難な状況にある。こうした状況に鑑みて、自治省行政情報化指針では「情報システム整備」の具体的施策の一つとして、「パッケージソフトの活用」を挙げており、「導入に当たっては、事務処理等を見直したうえ、カスタマイズを最小限にするよう配慮」するよう留意点を示している。実際、平成3年度から自治省が推進している「地域情報ネットワーク整備構想(コミュニティ・ネットワーク構想)」では、「公共施設案内・予約システム」,「図書館情報ネットワークシステム」,「地域カードシステム」の三つについて標準システムをアプリケーション・パッケージ化して公開することにより、システム開発費用の低廉化及び開発期間の短縮を図ることとしている。さらに、自治省行政情報化指針における具体的施策の中心となっている「ネットワーク化の推進」では、庁内LAN(Local Area Network),クライアント・サーバシステム,ネットワークの外部接続等、刻々と変化しつつある最新技術が視野に入っており、情報管理主管課のノウハウ

だけでは追随と具体化が困難なものになることが考えられる。「高度な情報技術を実装したソフトウェアが完成品として提供される」という意味でもアプリケーンヨン・パッケージは注目を集めている。

第1節の「アプリケーション・パッケージの特性」で述べた利点を生かすことができれば、地方公共団体が置かれている情報化の現状に対して有力な解答になると言えよう。

 

 

 

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