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は し が き

 

1994年9月、関西国際空港がオープンし、約3年を経過している。外国人の利用者数は、95年、789,000人、96年は993,000人(以上、いずれも大阪入国管理局関西国際空港資料:入国者数)と順調に伸びてきている。一方、日本人の出国者数は、同じく、95年、3,295,000人、96年、4,107,000人と4倍以上になっている。日本全体でみても1年に、1,600万人(1996年)を超える日本人が海外に出かけるのに対して、海外から日本への訪問者は、約380万人に過ぎず、1/4にも満たないのが現状である。このような現状の上に、今回、新しい航空路線が開設されたことを契機として、少しでもこのアンバランスを解消すべく、航空路線の開設と観光交流の関係を、関西国際空港を利用した海外からの来訪者を対象として、調査し、彼等が、観光を含めて、関西に何を求め、関西のどの地域を訪れ、どういう形で旅行しているか、また、彼等は、どこから必要な旅行情報を入手したかを明らかにした。この調査は、関西を対象とはしているが、日本全体が、関西と同じく、恵まれた交通ネットワークを持ち、それぞれ豊かな文化圏を形成し、非常に多くの魅力ある歴史的観光資源を有していることから、関西での調査は、日本全体に当てはまるものと考えられる。

当然のことながら、この調査は、今秋に開催される「アジアの新航空路線と観光交流シンポジウム」のための題材を提供することを主目的としていることを付言したい。本調査が、今秋に十分に活用されることを希望してやまない。

なお、本調査が日本財団補助事業として認定され、実施させていただいていることをご報告するとともに、実施に当たっては関西情報センターの協力をえたことを申し添えたい。

 

財団法人 アジア太平洋観光交流センター

 

 

 

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