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当に動きと音が合っていてとても感動したんです。単純に、皆さんが普段聴いていらっしゃる、今愛聴していらっしゃるCDとか、アルバムとかあったら教えていただきたいと思うんですけれども。

ダンサー1●バッハ、ラップ、ジャズ、テクノ、全てを聴いています。鼓童、大鼓も聴いています。この質問は、むしろマギー・マランになさりたかったんでしょうけれども、マギー・マラン本人も本当にいろいろな音楽をたくさん聴いている人です。

客3●具体的な個人名で言うと?

ダンサー1●私達たくさんおりますのでそれぞれ好きな音楽は違いますけれども、私自身はフランク・ザッパが好きです。各ダンサー、それぞれ違いますけれども、皆がなるべく良い音楽を聴こうと努めております。

ダンサー2●私達は、舞台でダンスだけではなくて音楽もやるようになりました。私達個人の音楽的な関心もそのおかげで発達してきたと思うんです。『ワーテルゾーイ』の中では、ご覧になったように、音楽を私達が演奏しなければなりませんでした。そして『ワーテルゾーイ』の後に新しい作品を創作しましたけれども、その中でもやはり私達が音楽をやる部分があって、このようにして音楽家と協力して作曲家を助けて、その人達に対して私達の方から音楽的な部分でも提案をしなければならないようになりました。ですから、このように私達の音楽に対する関心は高まっていき、単なる個人的な趣味を越えた音楽に関心を持つようになったと思います。ですから、テクノからバッハまでそれからランバダからザッパまで、またホテルの傍で聞こえる鳥の声まで様々な音楽に関心を持つようになりました。

ダンサー1●宇野さんに質問させていただきたいのですけれども、さっきベケットのことをお話しくださいまして、お話を聴きながら、そういうところが『MAY B』の中にもあるかなと考えていました。『MAY B』の中にあるベケット的な要素というのを私も考えました。ただしこの『MAY B』はベケットの作品ではなくて、ベケットの世界からインスピレーションを受けて作られた作品です。ベケットについて様々なポイントをおっしゃいましたけど、宇野さんご本人は『MAY B』の中で、どのようなベケット的な要素を見つけたのか伺いたいと思います。

宇野●最後の、繰り返し繰り返し消えては出てくる場面と、それからやはり歩き方、止まり方、最後の場面でベケットの多くの作品にある何かを非常に具体的に見たような気がします。けれども、僕はむしろ、やはりこれだけの大人数が、それも全くベケットのコンセプションにはない「動き」を通じて、集団的な、力強い、場合によっては皆が混じって動き、窮屈な思いまでさせる、そういうような状況の中に、違ったものにしたベケットがあると思うんです。また、そうでないと面白い作品って、ベケットから一切出てこないと思うんですけれどね。ベケットのような、これだけユニークな作家というのは同じことをやろうとしたらまずつまらないものになるし、失敗する可能性が強い。別のことをやるしかないと思います。ベケットがほんのちょっと混じってる、そういうことで、マギー・マランの今日のスペクタクルは説得的なものでした。

客4●マギー・マランさんが振付をする時に、皆さんはそれぞれ何らかの形で参加をしているんでしょうか。

ダンサー1●『MAY B』に関してはほとんど参加した部分はありません。『MAY B』はマギー・マランがすごく早くスピーディーに作り上げました。このプロジェクトを時間をかけて考えていたので、振付自体にはあまり時間をかけていないのです。そしてこの作品を作る際にベケット本人に会いに行って、彼の合意を得たと聞いています。

 

 

 

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