NVN発足の意義と目的をみてみよう。
(渥美公秀(神戸大学助教授)「NVN発足の意義と目的」(「ボランティアはいかに活動したか」))
NVN(西宮ボランティアネットワーク)は，阪神大震災を契機として西宮市内で活動するボランティア団体や個人に対し，行政とのパイプ役としての情報拠点となり，ボランティア活動と行政の活動をサポートし，ボランティア間の情報交換の円滑化を目的として活動してきた。換言すれば，ボランティア活動がより有効に機能するためのボランティア活動を展開してきたのがNVNである。NVNは行政を支援することが被災地の早期復興につながるとの信念のもとに行政と連携して活動を展開した。このNVNの姿勢は，実際に行政の立ち直りを早め通常業務に戻ることで，被災者救援は言うに及ばず被災地の早期復旧，復興に寄与した。一方， NVNは，ボランティア団体，個人をコーディネートしたために，「ボランティア難民」を出さず，各ボランティアの「善意が無駄にならない」というメリットがあった。ここにNVN発足の意義が認められる。
