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?V 西宮市の事例

 

1 西宮市の概況

 

西宮市は,兵庫県の東南部,大阪・神戸両大都市のほぼ中間に位置し,南は大阪湾に面している。古くは,門前町,宿場町として栄え,明治以降は「風光明媚」と「交通至便」が買われ,住宅地として発展してきた。工業は「灘の生一本」で有名な酒造業に代表される食品工業が中心であるが,鉄鋼・金属工業も立地し,高い製造品出荷額を誇っている。阪神・淡路大震災では,甚大な被害を被ったが,これを教訓として災害に強いまちづくりに向けて取組みを進めている。

平成7年国勢調査人口 390,388人 (平成2年国勢調査人口 426,909人)

平成8年度決算・歳出総額 242,670百万円  財政力指数 1.06

 

● ボランティア団体の状況(平成8年度)

(西宮市調べ)

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● 阪神・淡路大震災におけるボランティア活動者数(「1995.1.17阪神・淡路大震災-西官の記録-」西宮市)

ア.登録申出人数

震災以来本市が受付けたボランティアの人数は,電話による申し出を含め13,000人を超えている(3月末日現在)。また,最も受付けの多かった1月21日には,1日で1,414人の申し出が市に寄せられた。

NVNの調べでは1月17日から4月30日までの間にNVNに登録のあった人数は,YMCA他NVNの構成団体への登録もあわせて約21,700人(うちNVNに直接登録した数は約7,100人)であった。

イ.参加延べ人数

また,集積所,給水,避難所等市の用務に参加したボランティアは3月末現在において延べ21,931人にのぼっている。

なお,避難所等には窓口を経由せずに直接活動に参加したボランティアも多数おり市の用務に従事したボランティアの総数は,正確には把握が困難である。

このほか,市の用務以外でも市内では多数のボランティアが活動した。その数は,NVNの調べでは,1月17日から4月30日までの間で約117,000人となっている(一都市の用務に従事した者と重複)。

2 阪神・淡路大震災における救援活動

 

(1)行政とボランティアとの連携

 

西宮市は,阪神・淡路大震災の際,ボランティア団体・個人の連合組織である西宮ボランティアネットワーク(NVN)と緊密な連携を図って救援活動を展開した。この西宮市とNVNとの連携は,「西宮方式」と呼ばれ,行政とボランティアとの新しい関わり方として注目を浴びている。

?@ 一般ボランティアの受入体制

震災直後,一般ボランティアの受入体制がどのように整えられたかみてみよう。

 

(「1995.1.17阪神・淡路大震災-西官の記録-」)

 

従来(震災以前),本市の防災計画にはボランティアの活用(応援依頼)について明確な定めはなかった。

同計画中「隣保互助,民間団体活用計画」の項目の中に,応急対策を実施するにあたり災害の程度により民間組織に参加を要請し,避難所の奉仕,援助物資の整理並びに配分等にあたるとしているが,今回の震災では市民の多くが

 

 

 

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