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人的被害は少なかった。参考7)

道路についても,橋脚の倒壊,橋桁の落下をはじめ,大きな被害が発生した。橋脚では,昭和46年以前の示方書が適用された路線の被害が大きく,昭和55年以降の示方書が適用された路線では比較的被害が小さかった。参考8)

港湾については,施設の設計震度等により被害の程度に明らかな差が見られた。設計震度の小さな施設は大半のものが被害を受けているが,神戸港の中で最大の設計震度をもつ耐震強化岸壁(摩耶埠頭地区3バース)は,ほとんど被害がなかった。参考9)

参考:

1)平成7年阪神・淡路大震災・淡路大震災建築震災調査委員会最終報告書(平成7年12月27日)

2)平成7年阪神・淡路大震災木造住宅等震災調査報告書(平成7年10月)木造住宅等震災調査委員会

3)地震に強い水道づくりを目指して(平成7年8月)厚生省水道耐震化施策検討会

4)電気設備防災対策検討会報告(平成7年11月24日)

5)ガス地震対策検討会報告書(平成8年1月)

6)大地震対応の通信ネットワーク体制に関する検討会報告書(平成7年5月)

7)兵庫県南部地震による鉄道施設の被災に関する調査(中間整理)(平成7年8月)鉄道施設耐震構造検討委員会

8)兵庫県南部地震における道路橋の被災に関する調査報告書(平成7年12月)兵庫県南部地震道路橋震災対策委員会

9)阪神・淡路大震災による港湾施設等被災状況調査報告書(第2集)(平成7年10月)運輸省港湾局・運輸省港湾技術研究所・運輸省第二港湾建設局

 

2  国における新たな災害対策の取組み

 

阪神・淡路大震災の教訓を踏まえた国の新たな災害対策の取組みについて見てみよう。

(国土庁防災局防災企画課課長補佐 前葉泰幸「平成8年版防災白書を読む-阪神・淡路大震災等を踏まえた新たな災害対策の推進―」より)

 

は じ め に

 

平成8年版防災白書が去る6月18日閣議決定された。

今年の白書は,阪神・淡路大震災の概要とその教訓を踏まえた新たな災害対策の推進(表1)について,多くのページ数を割いて詳説している。「震災に強い都市構造の形成と施設の整備」あるいは「国民の防災意識と災害時のボランティア活動」といったような目新しい項目も見受けられるところである。本稿では,こうした事柄について紹介することとしよう。

1 災害対策基本法の改正等

阪神・淡路大震災の経験を踏まえ,我が国の防災関係の法制度についての充実・強化が図られた。

まず,防災施策全体の基本的枠組みを定める災害対策基本法の改正が2回にわたって行われた。

 

 

 

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