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第2章 わが国及び九州における物流情報化の動向

 

1. 高度情報化の進展

(1)情報化の意義

インターネットの爆発的ブームをはじめ、近年の情報化の進展は著しい。政府においても内閣に「高度情報通信社会推進本部」を設置し、1995年2月に「高度情報通新社会推進に向けた基本方針」を策定するなど、高度情報社会構築に向けた取り組みが進展している。

高度情報社会の本質とは、情報がデジタル化、ネットワーク化されることであるといわれていることから、ここでは、デジタル化、ネットワーク化によりもたらされる高度情報化の効果、意義について整理する。

?デジタル化の効果・意義

情報はデジタル化されることにより、劣化することなく、ネットワーク上を流通することが可能となり、利用者はデータを、ネットワーク上の均質な情報として、何度でも利用したり、加工したりすることが可能となる。事業所間、企業間においては、使用するデータを蓄積、加工(分析)したり、また統一フォーマットのもとで共有したりすることが可能となり、取扱う情報量が飛躍的に増大する。

こうしたデジタル化により、企業内部、また経済活動の諸場面において、業務の効率化が期待される。

例えば、流通・物流分野においては、POSシステムにより店頭での販売情報を瞬時に本社で把握し、データ分析によりマーケティングに生かしたり、受発注データの共有化により伝票作成や入力作業等の業務が効率化できることとなった。またデジタル化された情報であるバーコードにより、生産から物流、販売までの異業種における情報共有が可能となり、トータルな生産・販売管理が可能となった。

このようなデジタル化による情報の共有化が、高度情報化の意義のひとつである。

 

?ネットワーク化の効果・意義

情報化の第2の意義は、デジタル化された情報をネットワーク化することにある。

ネットワークは、ネットにアクセスする利用者を対等に接続するという特徴を持つ。従来の社会では、情報の発信者はマスメディアなど一部の企業、個人に限定されたが、ネットワーク化により、ネットに接続されたあらゆる個人や中小企業からの情報発信が可能となった。

他方、情報の受信においては、ネットワーク化により、利用者は時間、空間の制約を受けずに情報にアクセスすることが可能となる。

さらにインターネットの登場により、情報流通の範囲が世界に拡大し、情報は不特定多数の発信者から、不特定多数の受け手へと、時間、空間を問わずグローバルにやり取りされるものとなった。

この結果、情報流は飛躍的に増大し、個人や中小企業においても最適な情報を発信、受信することが可能となり、業務の利便性向上に大きく寄与するとともに、新たなビジネスチャンスの機会がもたらされている。

 

 

 

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