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第5章 熊本県下における旅客航路・物流拠点設備についての課題

 

これまでの調査分析を踏まえて、熊本県下における旅客航路と物流拠点整備についての問題点・課題についての整理を行う。

 

1. 旅客航路の問題点と課題

(1)旅客航路需要の開拓

県下の旅客航路は、生活航路が多い。生活航路の場合、その需要は発着港、寄港地周辺の市町村人口によって規定されてくる。そして、それらの市町村人口のほとんどが減少傾向が続き、高齢化が目立っており、需要の停滞は旅客航路経営の最大の問題点である。

ただ、需要のもう1つの柱である観光客はプラスの伸びを示しており、観光客を旅客航路利用客として有効に取り込む方策等、新しい需要の開拓が図られねばならない。

 

●人口の減少・高齢化

熊本市を除く「旅客航路背後圏」(旅客航路のネットワークをもつ市町村)の人口は、平成5年から平成8年にかけての伸び率は-1.0%(全国平均0.8%)、また平成8年の高齢化率は21.3%(全国平均14.9%)である。同地域の人口は、平成3年414,339人であったが5年後の平成8年では405,290人と9,049人の減少である。

 

●観 光 客

天草地域の観光客総数は、昭和61年4,622千人であったが、順調に伸び9年後の平成7年には、4,907千人に達している。但し、この伸びは熊本県内の他地域に比べると、それほど高い伸びではない。

 

●旅客航路経営者があげる経営上の問題点

旅客航路事業者の経営上の問題点として、最も多い回答となったのは「需要(利用客数)の減少」である。最も重要なものから3つまでの回答であるが、18の事業所が最も重要な問題としてあげている。

 

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