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6.1.4 複数踏切のネットワーク化と広域情報の管理

 

(1) メタルケーブルを使用した伝送器により、個々の踏切制御装置を接続したため、統括制御装置により個々の踏切制御装置の動作監視が可能となった。

また、その情報は各踏切にも伝送されるため、踏切制御装置で広域列車運転状況が把握でき、踏切遮断時分の短縮化論理を行う上での情報提供が可能となった。

(2) 踏切異常時の遠隔回復処理も、統括制御装置から伝送器を介して該当踏切に制御出力できることが確認された。

 

6.2 今後の課題

 

本事業では、マイクロエレクトロニクス技術、伝送技術などを導入して踏切制御システムを製作し、所期性能を確認したが、今後次のような課題についてさらに、検討を深めていく必要がある。

 

6.2.1 踏切遮断時分の短縮化

 

(1) 本事業で開発した遮断開始時期決定手法では、信号現示抑止を新たに加えたことにより、警報時間割れを起こすこと無く、遮断時分の短縮をすることができた。

しかし、信号現示の抑止時間が長くなれば、ある程度は列車の運行に影響を与えることも考えられるので、抑止時間と列車運行の関係について今後詳細に解析する必要があると思われる。

 

6.2.2 複数踏切のネットワーク化と広域情報の管理

 

(1) 本システムでは、踏切制御装置を2台で行っていたが、実際に線区単位で行うと踏切制御装置は10台以上になると思われる。そこで、伝送遅れ等の影響について、今後検討が必要である。

(2) 踏切異常時の遠隔回復は、現場の故障状態の把握や回復を扱う人の責任問題など運用上の検討が必要である。

 

6.2.3 待たされる側に立った新しい表示器

 

(1) 本事業で製作した列車接近表示器では、後続列車を1列車分表示した。しかし、2列車による後続列車接近情報が、待つ人の側にどの程度有効であるかは、現場に据え付けて利用者の意見を聞くことが必要である。

(2) 絵だけでなく文字も表示すると、よりはっきりと後続車が接近していることが判ると思われるが、表示を増やす分経済的な問題が発生する。設備投資と効果を考えた上で、今後もより良い表示方法を検討する必要がある。

(3) 続行列車を表示することが与える負の要因の有無についても検討する必要がある。

 

 

 

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