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次に、表2.1.3-3によれば、R8/1(B767SR)1両目への乗車客(23人)のうち9人を2両目(1人)、3両目(7人)、4両目(1人)へ誘導できれば、停車時分を6.9秒短縮することができる。そこで、R8/1の停車時分が5秒、10秒、15秒短縮できた場合を想定して、列車運行シミュレータによりR8/*の東陽町到着時刻を求める。図2.3.1-4に一例として10秒短縮と想定した場合のシミュレーション結果を示す。この事例では機外停止の時間が34秒と長いため、シミュレーション結果では短縮された停車時分と同じ値(10秒)だけ着遅延が減少している(8:19:59→8:19:49)。これより、一般に続行列車が機外停止している時間は先行列車において乗客を誘導して停車時分を短縮すれば確実に短縮できると考えられる。

 

2.3.2 先行列車停車時分延長による続行列車遅延防止効果

 

乗客が集中するために停車時分が増加する列車に対しては、先行列車の停車時分を延長して乗客の一部を先行列車に誘導できれば、停車時分を短縮できる可能性がある。本検証の対象列車としては次の2つのケースが考えられる。

 

[ケース1]発着時隔が長く、停車時分も長い列車

乗車客の増加により停車時分が増加した可能性がある

先行列車の輸送力に余裕があれば、停車時分を延長して乗車客の一部を分担して輸送できる

先行列車は停車時分を延長しなくても先々遅延することが多い場合には特に有効である

ただし、先行列車の停車時分は続行列車が機外停止しない範囲で延長する

 

図2.3.2-1に発着時隔と停車時分の関係を示す。これは東陽町(平成8年10月21日、朝ラッシュ時)の場合である。これより、発着時隔(計画値:85秒)が100秒以上で、停車時分(計画値は50秒)が65秒以上の列車を抽出すると、R5/1とR8/1となる。ただし、これは最小間隔(135秒)で運転している第5グループから第Bグループまでの列車28本を対象とした。

 

 

 

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