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7. 地域社会と健康管理

 

高齢者向けの地域社会および健康管理のプログラムは、高齢者ができるだけ長期間、共同体で家族と一緒に住むことへの支援を提供する上で不可欠である。以下ではこの問題を、医療および健康管理、コミュニティ・ケア、制度的ケアに分けた。これらのプログラムは、高齢者ケアのモデルを提供するサービスの総合的ネットワークを構成していると考えるべきである。

 

(1) 健康管理および医療

高齢者の主な関心の一つは、良い健康状態を維持することである。

シンガポールでは、高齢者の多くが歩行ができ、肉体的に自立している。1995年の調査では、60歳以上の高齢者の94.9%がこのグループに属しており、この割合は、60-64歳では99%、65-74歳のグループでは95.2%、75歳以上では88.7%と年齢が高くなるにつれ低くなっている。高齢になるにつれて、介護および医療の需要も高くなる。シンガポールでは、60歳以上の入院率は60歳未満の約2倍である。60歳以上の平均入院日数は10.4日で、若い患者の平均入院日数の約2倍である(保健省、1992年)。この様に、高齢者対策にとって、老人医療を進める一方で、健康維持と予防の健康管理に力を入れることがきわめて重要である。

(a) 健康管理と予防医療

高齢者の健康維持を支援するための衛生教育、運動、健康診断のプログラムがある。保健省の訓練および保健部門では、公共住宅団地、図書館、コミュニティセンターなどの簡単に行ける場所で、高齢者向けの定期的な衛生教育教室および展示会を行っている。近年では、病院やボランティア福祉同体も、疾病予防、バランスのとれた食事、健康な生活様式についての認識を高めるための、高齢を向け衛生教育に加わった。

シンガポールのスポーツ理事会も、高齢者の定期的運動を促進するための、一連の簡単な運動およびスポーツ活動を始めた。これらの管理された運動およびスポーツ活動は、高齢者クラブおよびコミュニティセンターで行われている。コミュニティセンターおよびその他の草の根の組織(レジデンツ・コミソティーの様な)も、多くの高齢者の

 

 

 

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