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シンガポールの人口高齢化−動向と対応

 

はじめに

 

20世紀初頭のシンガポールの人口は、たった228,000人だった。今日、人口は370万人に増加した。シンガポールは、20世紀前半の高死亡率と高出生率という特徴を持つ貿易立国から、死亡率と出生率の低い今日の近代都市国家へと発展した。人口も、1950年代の若々しい人口構成から1990年代までにはもっと成熟したものへと変わった。人口は、シンガポールの独立後、人口計画政策が施行された1960年代の半ばに最も激しく変化した。この過去の人口の傾向が、シンガポールが21世紀に向かうにつれて、より急速な高齢化をもたらすと予想されている。

 

この報告では、過去30年間のシンガポールの人口政策の変化の概要を考察し、高齢化の傾向およびシンガポールの高齢者の特徴についても考察する。また世帯構造の変化およびその他の重要な社会的傾向が強調され、高齢者ケアについてのいくつかの洞察を提供するとともに、シンガポールにおける高齢化および、社会保障、雇用、住居・生活の計画、社会・健康ケアの分野での高齢者向けの社会サービスとプログラムの国家政策の展開について記述し、将来の傾向についての評価もおこなっている。

 

 

 

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