日本財団 図書館


080-1.gif

 

4. 福祉ミックス型の福祉と公・民・インフォーマル部門の役割分担

 

福祉政策は市場では供給出来ないか、きわめて不十分にしか出来ない。だから政府や公的支援機関がこれを行うべしというのがかつての通念であり、社会保障を拡大することが福祉政策であるとみなされがちであった。福祉供給における企業とインフォーマル部門の役割を再評価する福祉ミックス論はこうした通念を超える論である。福祉ミックス論は次のように言う。「GNPを生産し供給するのが企業だけではないように総福祉を生産し供給する主体も政府部門だけではありません。市場、インフォーマル部門、それにそれぞれの混合部門も福祉の「生産」と「供給」の担い手として重視されるべきです」(丸尾直美『日本型福祉社会』NHKブックス、1984年、175頁)。市場を重視し、家族近隣のようなインフォーマル部門を重視するということは日本ではむしろ当

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION