日本財団 図書館


Dr.Jean-Louis ALBARET(Museum National d’Histoire Naturelle)

 

一GENEVA―WHO一

 

Dr. Ralph H. HENDERS0N (Assistant Director Ceneral, WH0)

Dr. BEHBEHANI (Director, Division of Control of Tropical Diseases)

Dr. Marc KARAM (Division of Control of Tropical Diseases)

Dr. Kazuhiko HATA (TDR : Management 0fficer, Information)

Dr. W.E. GUTTERIDGB (TDR : Coordinator, Product Research and Development, Speicial Programme for Research and Training in Tropical Diseases)

 

調査成績概要

 

本年度の調査は平成10年3月6日から3月20日まで辻、積山、安住の3名が現地に赴き実施した。昨年度は中央アフリカ共和国の内紛により調査を実施できなかったが、今回は現地の情勢が一応落ち着いているものの地方には反政府の反乱軍やゲリラが出没するとのことで、例年のケラ・セルジャン村の検診を諦め、首都近郊のウワンゴ地区とバンザ村を対象として調査を行った。今回の時期は乾期であったが、首都近郊と言うことで、検査に使用する水には不自由しなかった。

ウワンゴ診療所では789名の糞便検査と252名の尿検査を、またバンザ村では40名の糞便検査と33名についての皮膚生検を実施し、その結果に基づいて陽性者に対しては駆虫剤の投与を行った。

検査成績はウワンゴ診療所では厚層塗抹法による糞便検査で789名中169名(21.4%)が蠕虫卵陽性で、特に鉤虫が85名(10.8%)、蛔虫が58名(7.4%)、マンソン住血吸虫が24名

(3.0%)であり、尿検査では252名中10名(4.0%)がビルハルツ住血吸虫陽性であった。またバンザ村では厚層塗抹法による糞便検査で40名中8名(20.0%)が嬬虫卵陽性であり、鉤虫感染者は6名(15.0%)、姻虫およびマンソン住血吸虫感染者が各々1名(2.5%)であったが、33名について行った皮膚生検では全員がオンコセルカ陰性であった。なお40名の中健康手帳保有者は21名で、新たに健康手帳を交付した者は19名である。健康手帳保有者の蠕虫感染率は28.6%、今回初めて受診した人達の感染率は10.5%で、新しい受診者の殆どが首都から引き揚げて来た人達であり、健康手帳保有者をみても一昨年の38.4%に比し減少傾向がみられ、これまでの衛生教育の成果によるものと判断している。特に蛔虫陽性者は前回に全員が陰性であったが、今回は首都から帰村した1名のみが陽性であり、村の診療所の看護上に今後の注意についての指導を行った。

 

 

 

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