・台車枠のローリングを考慮:曲線旋回性能の評価という点で、ローリングの自由度が重要になる。
・牽引リンク機構について、リンクの運動自由度を考慮したモデルの採用:マルチボディソフトゥエアを用いているため、リンク機構を組み込むことは容易であり、さらに曲線走行では、微少変位の仮定の基に線形運動方程式を用いる安定性解析と異なり、比較的大変位の運動が見込まれるため、詳細なモデルが重要である。
・車輪とレールの接触モデルについて、カルカーの非線形クリープ力モデルを用いたこと:上記と同様、曲線旋回時には、フランジ接触を含む大変位が生じるため、クリープ力の非線形性を考慮することは重要である。ここでは、FASTSIMのアルゴリズムを用いた。
考慮した運動の自由度は以下のとおりであり、1両21自由度のモデルとした。
・輪軸:左右、ヨー ×2
・台車枠:左右、ヨー、ローリング×2
・車体:左右、ヨー、ローリング
・牽引リンク:左右、ヨー、ピッチング、上下×2
(3) シミュレーション条件
表1に示す3通りの走行条件を設定した。いずれもカントと遠心力が釣り合う状態で走行する場合である。超過遠心力が作用する場合も計算したが、超過遠心力分の横圧の増加と、それに伴うアタックアングルの変化が得られたのが、主とした違いであったので、ここでは結果は省略する。
曲線半径は3通りであり、フランジ接触の状態が異なる場合である。