日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 社会科学 > 社会 > 成果物情報

体制移行諸国における地方制度に関する調査研究(?)

 事業名 地方自治に関する調査研究
 団体名 地方自治研究機構 注目度注目度5


のである。ただし、ウクライナの大統領派の方がロシアの大統領派よりも、上述のような粉飾において稚拙であるという印象を受ける。これは、ウクライナの権力党の全般的な能力の低さのみによって説明されるものではなく、民族主義と「改革」とが国家イデオロギーとして結合されたウクライナにおいては、「いまは分権化よりも主権国家の存続そのものが大切である」という論法が受け容れられ易いためであると考えられる。

 

4 州政治と地方制度改革-リヴィウ州

 

図表4を参照せよ。1990年3-4月の地方選挙でリヴィウ州のソビエト権力を奪取することになる民族民主派は、二つの政治運動から幹部を調達した。第一は、旧体制下の人権擁護・異論派団体がペレストロイカの中で再活性化したウクライナ・ヘルシンキ連合(後のウクライナ共和党)、第二は、1988年に結成され、1989年に国語法が採択されたことを機に活動を活発化させたシェフチェンコ記念ウクライナ語協会(これと緊密な協力関係にあったのは、ほんらいは共産主義体制の政治的啓蒙団体であった「啓蒙(prosvita)」)であった。以上の二つの政治運動が「筋金入り」のものであったとすれば、第二の政治運動、すなわち1988年末に民族主義的諸団体の連合体として結成された「ルフ」(「ペレストロイカのためのウクライナ人民運動」)は、ウクライナの主権化という一点で結ばれた大衆的な組織であり、その構成員にウクライナ共産党との「二重党籍」さえ認めるものであった。有名なヴャチェスラフ・チョルノヴィル(1938年生)はヘルシンキ連合の、1990年から94年まで州執行機関の長を務めたステパン・ダヴィムカ(1947年生)は「啓蒙」の出身である。

新しく成立した州ソビエトは、ウクライナ民族主義のシンボルであり、旧体制下で何度となく獄中生活を経験したチョルノヴィルを議長に選んだ(195名の代議員のうち141名が支持)。州だけではなく、市・地区の新生ソビエト第1会期も、共産党権力の打倒を歓呼して祝福する市民集会に囲まれ、議場には公式の「ウクライナ・ソビエト社会主義共和国旗」と並んで青黄旗が掲げられ、代議員により「ウクライナは未だ死なず」が斉唱された(共産党代議員も声を併せざるをえなかった)。議場からはレーニン像が撤去され、その替わりに(キエフ・ルーシ時代の紋章で、ロシア革命時のウクライナ人民共和国の国章でもあった)「ネプチューンの二叉槍」が掲げられた。

ハリチナの共産党組織は、1990年の地方選挙で敗北した後も、かつての州・地区・市党委員会・ソビエトの建物のかなりの部分を占拠し続けた(地方党組織はソ連全体の党財政によって支えられていたため、そのような分不相応の贅沢が可能だったのである)。しかし、政策決定過程からは事実上排除され、住民も必要な際には、

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
1,243位
(32,382成果物中)

成果物アクセス数
7,860

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2020年7月4日

関連する他の成果物

1.地方都市における大学を核とした地域づくりに関する調査研究
2.定住と交流の促進による中山間地域振興に係る施策のあり方に関する調査研究
3.山麓地域の広域的連携による地域活性化方策に関する調査研究
4.レクリエーション拠点整備による中山間地域の振興に関する調査研究
5.住民向け地理情報システムの構築に関する調査研究
6.沿岸地域における若者定住対策に関する調査研究
7.遊休義務教育施設の活用による地域振興策に関する調査研究
8.産業構造の転換に対応した地域社会づくりに関する調査研究
9.新しい高齢者介護システムに対応する地域福祉体系構築に関する調査研究
10.首都機能移転への地方公共団体の係わり方等に関する調査研究
11.「地方自治に関する調査研究」の報告書
12.ホール文化形成のために?ホール文化形成のための調査研究?
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から