日本財団 図書館


(2)新首都の地方制度

 

報告は、「都市づくりが広大な圏域にわたって一体的に行われていくことを考えると、都市化に伴い多様な行政サービス需要が急激に増大するほか、圏域内の地域構造が大きく改編されることが予想される。このため、移転先の地方行政機構についても、こうした変化に的確に対応できるよう、生まれ変わる圏域にふさわしい形態に改編されることが課題となろう。」として、その具体的検討時期を「移転先地の地方行政制度の問題については、その地域の特性により様々な対応が考えられることから、今後、具体的な移転先の地域が選定される段階以降において、十分な検討を行い、適切な方法を選択することが必要である。」としている。

 

ア 新首都は、国会都市と周辺のクラスター群で構成されるが、報告によると、いくつかの既存の市町村にまたがってつくられることも予想される。

この場合これらの地方公共団体をどのように統合し、統一的機能を持つ都市にするかを検討する必要がある。

 

イ 中心の国会都市については、周辺のクラスター群の都市も含めて合併した一つの地方公共団体を形成することが望ましい。行政サービスは一部事務組合や広域連合等で技術的に対応できるとも考えられるが、これと首都としての体裁とは別の議論であり、一つの首都であれば、別々の市町村で、別々の運営を行うことは非常に困難であると考えられる。首都地域が、実態上も、また地域住民の住民意識の面からも一つの地方公共団体としてまとまりをもつことが望ましいという意見が大勢を占めた。

筑波研究学園都市の場合も、紆余曲折はあったが、24年後の昭和62年になって周辺市町村が合併するに至ったところである。

なお、合併は互いの意思を尊重し、互いが完全に合致することが必要であり、強制合併という手法はとるべきではないという意見があった。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION