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(6)新首都と東京との連携

新首都づくりの当初段階から、新首都に首都機能が完全に統合されるまでの相当期間は、二都状況が続くが、両都市間の連絡調整手段の整備主体、財源負担の問題がある。

国家的事業として新首都づくりをするのであるから、これら連絡調整手段についても当然国の責任においてこれを整備することが適当である。

ただ、関西国際空港の事例などでみられるように、第一次的には国が整備すべきであるとしても、地元負担の議論が出てくることが考えられる。これについては、空港の場合は地元の受益の度合いが高いという面があるので、地元負担論の余地があるが、新首都の場合は、国家機能の最たるものであるから、国で負担することが適当であるという意見があった。

 

(7)建設段階のまとめ

 

ア 新首都における国会.中央官庁など以外の施設の設置主体・財源措置については、?国際会議場、美術館、空港等首都の顔となるべき施設は国が責任を持つことが必要である。また、?道路・上下水道などについては新首都建設という極めて国家的なプロジェクトの遂行という特殊性にかんがみれば、通常の役割分担では律し切れない部分があり、国の積極的な役割が期待される。

イ 地価の抑制については、先買い権の行使が有効である。また、開発利益の吸収についても、十分な検討が必要である。

ウ 民間活力の導入については、民間活力を導入するのに効果的な分野と手法を見極めていく必要がある。

工 新首都と東京との連携のための施設整備の問題は、国の負担で行うことが適当である。

 

 

 

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