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その際、漁業を含めて研究開発機能の向上が一方でのポイントとなるので、県の但馬水産事務所試験研究室及び県立香住高等学校を核として一層高度化し、機能連携を促進する。

また、高等学校に関しては、将来的に、「海業(海に関連する産業の意味)」的な視点からマリンレジャーの教育機能などの拡充も視野に置いておく必要があろう。

〔観光サービス業〕

現在のところ、国立公園の自然鑑賞、海水浴とカニすき民宿業が中心であるが、完全週休2日制の定着、近い将来の3連休制度(ハッピーマンデー)の発足、高規格道路の整備などに伴い立地条件が好転し、流動需要の拡大、週休リピート滞在需要の吸収の可能性が増大する。

したがって、今以上に観光サービス業の多様な展開の可能性が増大するとみてよいが、その可能性を現実のものとするためには、町内に賦存する観光資源や地域特性を発掘・再発見し、多様な魅力づくりによって観光業の多角化を進める。

※現状のところ海岸景観、海、ズワイガニ、円山応挙といった町にとって第一級の資源を限られた視点で情報化し、活用しているにすぎず、産業や文化資源と観光とのクロスオーバーも弱い。今後は固有の資源を再発見し、現在台頭しているエコツーリズム(自然体験型観光)、フォークツーリズム(民俗芸能観光)、ヘリテージツーリズム(歴史観光)などへの対応力を強め、深まる観光需要を多面的に吸収していくことが必要である。

〔商業・サービス業〕

香住地区は町内唯一の商業集積をもつが、漁業集落の延長のイメージで、駅前の集積なども景観整備など玄関口としての魅力に乏しい。

今後、地域高規格道路の整備などによって大型店の立地や広域競合は一段と激化するとみられるが、一方で、香住海岸ルネッサンス計画の進捗と駅からのシンボルロード構想などによって観光・交流需要との連携が可能である。

したがって、この機会を捉えれは、地方中小都市での旅館の小ホテル化や街角ミュージアム(自然・文化関連資料やミニ水族館など小展示博物館)、カフェなどとの複合整備にみられるように、小規槙ながら地域性、文化性の豊かな「ミニシティ」的商業交流核や楽しい路地をもつ遊歩空間に再編できる可能性もある。これはコンビニエンスストアに象徴されるような、若者が昼夜集まれる場(溜まり場)として生きてくるとみられる。

 

<新規産業立地の促進>

一方、情報社会への流れの中で、今後は各人のライフスタイルに即して、デザイン、コンサルティング、インターネットビジネスなどの多様な個人企業や小規模企業が成立する時代となる。そこで、内発・導入を併せて個人企業の育成、既存事業の多角化と情報基盤の整備なとを併せてニュービジネスの立地を促進する。

 

? 通勤圏での就業機会の拡大

主たる通勤圏である但馬地域、その中心都市豊岡市を核として、若者の広域就業を可能とする地場産業の高度化・センスアップや中核工業団地へのハイテク企業の誘致、高規格道路などの整備を活かした広域PR拠点の強化、研究開発やデザインなど高度情報サービス業の育成・導入を進める。

 

? 就業機会の情報化と伝達システムの強化

職業安定所との連携を前提として、通勤圏内での転職、UJIターン者の就業ニーズの把握と通勤圏内で発生する就業機会の情報を綿密に収集整理し、地域づくり関連情報(市町村の総合計画など)とともに情報需要者に提供する。

 ▲ 情報需要者の所在、ニーズ把握

 ▲地域就業機会情報の把握

 ▲情報提供体制の確立

 

 

 

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