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2 情報提供にかかる法令、条例の調査

 

住民向けGISで提供する地図情報は地形図だけでなく、種々の情報を含んでいるため、その提供に際しては通常の情報と同様の配慮が必要である。本節では、地図情報を含めた一般的な情報に関する個人情報保護や情報の目的外利用を禁じた法令や条例について調査する。

 

(1)個人情報保護について

 

住民向けGISの構築に向けて、行政の保有する情報の提供が強く望まれているが、行政の保有する情報の中には、個人のプライバシーにかかわる情報も存在するため、情報の提供には個人の不利益とならないよう対策を講じる必要がある。

 

ア 法令などの概要

国においては、行政機関における個人情報の電子計算機による処理の進展にかんがみ、昭和63年(1988年)に「行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律」が成立した。この法律の目的は、行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の取り扱いに関する基本事項を定めることにより、行政の適正かつ円滑な運営を図りつつ、個人の権利利益を保護することである(法第1条)。

具体的な措置として、個人情報ファイルの保有制限、個人情報の安全確保の措置など、個人情報ファイルの保有の事前通知、個人情報ファイル簿の作成及び閲覧、個人情報ファイルの公示、処理情報の利用及び提供の制限、処理情報の開示や訂正などを定めている。

法の制定に先立つ昭和57年(1982年)にプライバシー保護研究会(行政管理庁)より、「個人データの処理に伴うプライバシー保護対策」が報告された。報告書では、プライバシー保護対策のあり方として以下の五つの基本原則が示されている。

 

(ア)収集制限の原則

個人情報の収集に際しては、収集目的を明確にするとともに、収集する情報

 

 

 

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