日本財団 図書館


□ 宿泊施設の充実

宿泊施設の充実・整備にあたって、ヨーロッパで広く行われている農家民泊の推進も考えられるが、特定の形態にこだわるべきでない。キャンプ場、既存の民宿、公共宿泊施設などと農家などの宿泊利用可能な資源を結びつける方向で取り組みを図ることにより、訪問者の多様なニーズに応えられるような施設の充実・整備を図ることが肝要である。

□ 交流・体験施設の整備

宿泊施設のほかに、種々のレクリエーション活動をサポートする交流・体験施設など、レクリエーション活動を通じて地域を訪れる人々の活動拠点となるとともに地域住民とも交流できる拠点的施設の確立が必要である。

□ 人材の育成

レクリエーション活動を通じて多くの利用者が地域を訪れるようになると、ほかの地域から人を受け入れる際のもてなしや種々のレクリエーション活動を支えるサービス能力のある人材の確保が必要となる。また、農家をはじめとして地域住民が自ら宿泊やレクリエーションサービスをはじめるにあたっては、専門的な経営・サービスの研修も必要になってくる。このため、研修機会の提供及び指導者の確保も検討する必要がある。

 

(4) レクリエーション活動展開のための仕組みづくりの必要性

本地域のような中山間地域については、そこを、都市の価値観を持ち込む単なる開発用地としてみるのでなく、地域の人々の住んでいる生活空間であり、そこで農業生産が行われ、祭りなどの文化活動が行われている空間であると、まず基本的に認識しておくべきである。したがって、都市住民との交流を通して、その空間の維持・保全や新たな文化の創造に努めるとともに、地域住民が自らの伝統や文化に自信と誇りを深めることができるような環境を創造することが必要である。

このような視点に立って、今後、本地域におけるレクリエーション活動を推進するにあたっては、都市・農村の住民・各種団体などが意見交換のできる仕組みを作るとともに、双方のニーズの顕在化とレクリエーション活動理念の確立に努め、それぞれの事業を地道に推進していくことが重要である。

 

(5) 情報を生み出し発信する仕組みの確立

現在の本地域における情報発信は、個々の町村が独自にダイレクトメールや観光パンフレットを発行したり、インターネットによる情報発信をしているほか、一部町村のパンフレットの共同発行が行われている。さらに、グリーンふるさと振興機構により、共同の情報発信やイベントの開催を行っているほか、県事業の観光キャンぺーンに参加するなどしている。

今後、グリーンツーリズムの導入を視野に入れた周遊性の向上やレクリエーションメニューの多様化を図るには、地域内で様々な情報を生み出し、集め、発信していくことが重要な課題である。そのためには、4町村の連携による効果は大きいと考えられ、共同情報発信の仕組みづくりを工夫する必要がある。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION