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町、七会村は笠間市と分かれているため、生産・加工・販売などにかかる連携,協力のための組織的活動は、地域内で一体的ではない。

このような状況の中で、和牛の生産、国民宿舎御前山荘の運営、ごみ・し尿処理などについては、4町村の広域組合(城北地方広域事務組合)での運営となっている。

 

● 厳しい商業、工業を取り巻く環境

小売業では、地域全体として県内最大規模の水戸市の集積の影響を強く受け、地元購買は減少を続けている。

また、4町村を個別にみると、七会村は笠間市、桂村・御前山村は大宮町の商圏下にあり、地域内の商業を取り巻く状況は厳しいものとなっている。

工業においても、水戸市、笠間市、ひたちなか市などの周辺大都市や大宮町の水戸北部中核工業団地を控えているため、それらの地域での従業者が多いほか、地域内に立地する工場は、小規模、零細的なものが大半となっている。

 

● 少量多品目的農業とレクリエーション活用が進む山林

本地域では、常北町、桂村で那珂川に沿って比較的広い農地が広がっているが、御前山村、七会村では山がちの地形条件の制約を受け、谷津田に代表される小規模な形態の農地、農家が多い。また、常北町や桂村では、水戸市の後背地として、農地の宅地転用も進んできている。

農産品については、気候条件に恵まれた環境もあり、ゴボウ、山芋、ネギ、果樹、その他の野菜をはじめ種々の作目が行なわれ、少量多品目的な傾向にある。

近年は、常北町、桂村、御前山村では、果樹の観光農園が軌道に乗りはじめ、りんご、なしなどで実績をあげ、首都圏からの客も増えてきている。また、4町村で共同して、和牛(常陸牛)の繁殖生産(城北地方広域事務組合)が進められている。常北町では、バラのオーナー制の実績ももつ。

林業は、総じて厳しい経営状況にあるが、御前山村のしいたけ栽培、七会村でのまいたけ、なめこ栽培など林間生産物での取り組みや、森林のもつレクリエーション機能に着目した活用(キャンプ場、散策路など)も進められている。

 

 

 

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