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(2) 地域住民や産業の活性化による地域振興の促進

 

レクリエーション機能を整備することにより観光客などの交流人口の増加が通常見込まれ、地域の活性化につながることが期待される。

ただ、観光業のみに波及効果がとどまったり、あるいは一過性の集客増やブームで終わってしまうこともあり、必ずしも地域全体の振興につながらないケースもみられる。

ただその中でも全国各地域で、農業体験事業の運営会社を地元の農業従事者が共同で設立した例、レクリエーション施設の近くで野菜直売などにより多くの住民が収入を得ている例など、地域に住む住民がより多く経済的効果を享受するために取り組んでいる事例がみられる。

また取り組みの方法も、行政だけに任せるのではなく、行政とともに、あるいは独自に地域活性化のための活動を行うグループが、全国各地に数多くある。そこでは地域でのイベント開催、地元の特産を使った新しい産品の開発をはじめ、地域おこしのための提言、実行など幅広い活動が見受けられる。行政側もそういったまちづくりグループとともに施策を考え、現実に実行することにより、住民と一体となったまちづくりを行い、地域おこしに成功している事例もある。

そこで、現在高齢化や過疎化が進行している中山間地域におけるレクリエーション機能整備においては、当該機能整備が地場の産業や雇用に波及するとともに、より多くの地域住民が様々な形で関わりをもつことにより地域全体が活性化することを特に主眼とすべきである。そのためには、機能整備の方向を検討する際に、地元住民や地域産業の関係者が幅広く参加できるようなしくみやテーマを検討していくことが望まれる。

 

 

 

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