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第5章 中山間地域における定住と交流促進の考え方

 

1 中山間地域振興の基本的な考え方

 

我が国の経済・技術の発展は、生活を利便に、そして一定の生活の豊かさを実現したが、それは中山間地域からの人口の吸収であり、中山間地域の自然及び社会環境の劣化を招いてきたものである。

 

高度経済成長の名の下に、我が国は世界でもトップクラスの経済力と、国民総中流といわれる生活環境の基盤的な整備をある程度成しえてきた。

しかしながら、それはあくまで「都市の論理(都市を中心にしたものの考え方や社会政策)」であり、これを支えたのは中山間地域を中心とした地方からの人口(特に若者を中心に)排出であり、それと引き替えに中山間地域での過疎化、高齢化、それによる一次産業の衰退、さらには環境維持能力の低下や各種開発(工業団地、住宅団地、 リゾート開発など)による自然環境の破壊や地域社会機能の低下などをもたらした。

 

21世紀社会は環境の時代といわれ、中山間地域の「環境財」としての価値が改めて問われてくる

 

いま均衡ある国土発展のために、都市と地方のあり方が改めて問われるとともに、経済面のみならず、環境問題も含めて、世界レベルでの議論なくしては問題が解決できない状況になってきている。

中山間地域は、我が国の国土面積の7割、森林面積で8割を占め、本来は自然と共生し、循環型の社会システム*1を有した地域である。

また、中山間地域は豊かな自然環境を温存させ、国土管理や主として一次産品供給機能を有する地域として、あるいは都市住民のリフレッシュの場として重要な役割を果たしてきている。

さらに、昨今地球レベルでの温暖化問題が議論される中、いわば「緑のダム」としての機能をもつ中山間地域は、地球環境維持の面からも大きな役割を担う地域でもある。

 

 

 

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