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序 調査研究の目的と方法

 

1 調査研究の目的

 

秋田県本荘市においては、秋田県立大学システム科学技術学部の開学が平成11年4月に予定されている。大学は、地域の産業活動や住民生活との関わり、その他の地域づくり全体において、多面的な効果を発揮する可能性を持っており、これを21世紀を展望した地域づくりの有力な起爆剤として位置づけ、活用すべく、各方面からの期待が寄せられているところである。

しかし、大学の立地効果は、大学を活かした地域づくりの取組みによって、始めて顕在化するものであり、手をこまねいてはその効果も充分に発揮されない。このため、学生数約1,000人のキャンパスの立地効果を最大限に展開していくための方針と方策(すなわち、大学を核とした地域づくりの方針と方策)を明確にする必要がある。

大学を核とした地域づくりに係る検討は、2つの観点に分けて考えられる。1つは、大学周辺整備や学生・教職員の住環境の整備などによって、 “地域として如何に大学の立地を受け止め、支えるか”に係る検討である。いま1つは、若者定住の促進や近隣商業などの産業振興、生涯学習、文化活動の活発化、新たな都市イメージの創出など、“大学を活用した地域づくりを如何に進めるか”に関わる検討である。

以上のような考え方から、本調査研究は、本市における大学を核とした地域づくりの課題を整理し、本市における今後の取組みのあり方を検討するものである。

なお、全国各地で大学の設立や誘致が活発化している。また、大学と地域の生産や生活を結びつける取組みも多く、本荘由利地域が計画している産学共同研究センターを既に設置している地域も多い。このため、本調査研究では、地域関係者の要望の整理に加え、先進他地域の動向を調査し、方策を具体化する基礎資料とする。

 

2 調査研究の位置づけ

 

本報告書は、調査研究報告書として策定するものであるが、本市においては大学を核とした地域づくりに関する取組み方向を示す「学園都市構想」として位置づけ、今後の関連計画の策定に反映するものとする。

本調査研究の位置づけを、図表序-1に示す。

 

 

 

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