■事業の内容
(1) シミュレーションプログラムの開発 基礎プログラム開発のため、既存の研究事例及び数値実験手法の適用調査を行った。 調査結果を基にアルゴリズムの構築及び処理フローの検討を行い、シミュレーションプログラムを開発した。
(2) モデル港湾及び震源モデルの設定 モデル港湾を酒田、秋田及び能代湾とし、各港湾資料及び既往地震の震源モデルを調査・収集し、整理・分析を行った。
(3) シミュレーションの実施及び再現性の検討 計算の条件を検討し、対象領域、断層パラメータを決定した。メッシュサイズとしては対象領域内で沖合から岸に向かい4,050m〜50mの5段階の多重メッシュを採用した。 (1)のシミュレーションプログラムによる予測計算により、200m等深線上での津波高、各港湾における津波の遡上高を求め、実測値と比較し再現性を検討しほぼ良好な結果を得た。 また、各港湾の津波流速度分布、津高を作図した。
(4) プログラム改良、再計算 シミュレーション結果を検討して行った。
■事業の成果
津波襲来時の各港湾における挙動について研究し震源モデルを作成した。 このためモデルに精密な地形データ及び震源モデルを与えてシミュレーションを実施、既存資料と比較検討したところほぼ妥当な再現性が得られる結果を確認した。 この成果の活用により、今後想定される地震津波に対して、予め数多くの予測計算が実行できることになり、各港湾における船舶の避難、海岸付近の防災その他の対策立案に貢献できるものと期待される。
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