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■事業の内容

(1) 総合航海情報システムの概念的設計と開発要素の抽出
 [1] 自動運航システムと操船シミュレーターとの取り合い
   自動運航システムと操船シミュレーターとの取り合いを調整し、自動運航システムの表示画面の検討を行った。
 [2] 要求仕様と詳細設計のまとめ
   統合航海情報システムの要求仕様を決定し、詳細設計をまとめた。
(2) 統合航海情報システムを使用しての自動運航システムシミュレーション
 [1] 自動運航システム及び操船シミュレーションの詳細設計
   操船シミュレータ等の機器の整備を行った。また、自動運航システムおよびトランスポンダシステム等のソフトウェアを作成し、操船シミュレーションの詳細設計を行った。
 [2] シミュレーション実験シナリオの詳細設計
   昨年度の基本条件の検討に基づく詳細な検討から具体的な実験シナリオを作成した。
   また、自動運航システムの評価項目と評価方法について検討を行った。
 [3] 総合シミュレーションの実施
   [2]で作成したシナリオに基づき、在来船および統合航海情報システムを搭載した自動運航船について各4回(延べ40回)の操船シミュレーション実験を行った。
 [4] ユーザー側からみた自動運航システムのあり方
   シミュレーション実験の前後に操船者に対するアンケートを行い、ユーザー側から見た自動運航システムのあり方について調査した。
 [5] まとめ
   上記の成果をとりまとめ、報告書を作成した。また、3年間の成果をとりまとめ、成果報告書を作成した。
(3) 自動運航システムの評価
 [1] 総合シミュレーションによる評価
   避航操船及び変針操船を含む船舶航行における安全性、効率性及び操船負担の3点から総合航海情報システムの航行支援の有効性について解析・評価を行った。また、実験時に行った操船者へのアンケート結果による主観的評価もあわせて行った。
 [2] まとめ
   上記の成果をとりまとめ、報告書を作成した。また、3年間の成果をとりまとめ、成果報告書を作成した。


■事業の成果

(1) 統合航海情報システムの概念的設計と開発要素の抽出
 [1] 自動運航システムと操船シミュレータとの取り合い
   自動運航システムと操船シミュレータとの取り合いを調整した結果、操船者にとって適切な運航支援マン・マシン・インターフェイスが構築された。
 [2] 要求仕様と詳細設計のまとめ
   統合航海情報システムの要求仕様に適合した詳細設計が完成された。
(2) 統合航海情報システムを使用しての自動運航システムのシミュレーション
 [1] 自動運航システムの評価を行うため、実船と同等の環境を再現できる東京商船大学の操船シミュレータとの取り合いを検討し、これに自動運航システムおよびトランスポンダシステムを接続して評価実験用のシミュレータを構築した。
 [2] シミュレーション実験シナリオの詳細設計
   自動運航システムおよびトランスポンダシステムの有効性を客観的に評価できる実験シナリオを作成した。
 [3] 総合シミュレーションの実施
   [2]で作成したシナリオに基づき、延べ40回の操船シミュレーション実験が行えた。
 [4] ユーザー側からみた自動運航システムのあり方
   操船者に対するアンケート結果から、ユーザー側から見た自動運航システムのあり方についての知見を得た。
 [5] まとめ
   上記の成果をとりまとめ、報告書を作成した。また、3年間の成果をとりまとめ、成果報告書を作成した。
(3) 自動運航システムの評価
 [1] 総合シミュレーションによる評価
   今回の研究のために構成された自動運航システムは、シミュレーション実験データから、安全性、効率性ともベテラン船長が操船する在来船と同等であるとの評価を得た。操船負担に関しては在来船より非常に小さくなっていることがわかり、全体として安全航行に寄与できることが証明された。また実験に携わった操船者からは、統合航海情報システム搭載船は在来船より運航の難易度が良好であることから運航システムの支援は極めて有効であり、操船負担を軽減するとのアンケート結果を得、特に情報収集や解析の支援として非常に有効であると評価された。
 [2] まとめ
   上記の成果をとりまとめ、報告書を作成した。また、3年間の成果をとりまとめ、成果報告書を作成した。 





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