■事業の内容
(1) 演奏会の開催 [1] コントラバス・レクチャー・コンサート a.内 容 フランス弓奏法とドイツ弓奏法の両者の違いを認識し、コントラバスの魅力を探るため双方の比較演奏とレクチャーを交えたコンサートを実施した。 b.開催日 平成8年10月28日 c.開催場所 京都コンサートホール 小ホール(京都市) d.演奏者 今野 京 フランス弓奏法(NHK交響楽団) 文屋充徳 ドイツ弓奏法(ヴュルツブルグ音楽大学教授) 児嶋一恵 ピアノ伴奏 e.演奏曲目 ソナタ へ長調op. 17 L.ベートーベン プレリュード、ハバネラとアレグロ J.ヨンゲン 他6曲 f.観客動員数 170人 [2] コントラバス・レクチャー・クリニック(コンサートに付随して実施) a.内 容 コントラバス演奏者を対象に公開によるフランス・ドイツ弓奏法両者による講習を受け、その違いを認識し、技術の向上を図る。 b.開催日 平成8年10月26・27日 c.開催場所 関西日仏学館稲畑ホール(京都市) d.講 師 今野 京 フランス弓奏法 文屋充徳 ドイツ弓奏法 e.受講者 8人 f.聴講者 37人 [3] 「ふたつのストラディヴァリウス」の夕べ a.内 容 当財団の所有する弦楽器を一般に披露するため、その貸与者の演奏により、名器の奏でる妙音を楽しむクラシック演奏会を実施した。 b.開催日 平成8年12月11日 c.開催場所 王子ホール(東京銀座) d.使用楽器及び演奏者 ストラディヴァリウス・ヴァイオリン1708年「ハギンス」 演奏/藤原浜雄 ピアノ演奏/三上桂子 ストラディヴァリウス・ヴァイオリン1709年「エングルマン」 演奏/渡辺玲子 ピアノ演奏/鷲宮美幸 e.観客動員 300人 (2) 音楽助成金の交付 [1] Tokyo Cantat 1996 a.内 容 世界的に著名な合唱指揮者3名を招聘し、指揮者並びに合唱団のための講習会を1週間にわたり、都内4ヵ所で実施した。また、招聘した指揮者による演奏会及び演奏会のための公開リハーサルを実施した。 b.主 催 東京カンタート1996実行委員会 c.期 日 平成8年5月9〜16日 d.講 師 ジョージ・ゲスト、ヘルボイ・イルディコー、マッティ・ヒュエッキ e.会 場 東京・なかのZERO大ホール他 f.交付金額 1,5000,000円 [2] 1996レクチャーコンサート a.内 容 タイのラジャヌクール地区の知的障害児やバンコックのクラシック音楽に触れる機会に恵まれない子供達に楽しい音楽を提供した。又、一般を対象にチャリティコンサートを実施し、マハ・チャクリ・シリントン王女財団へ寄付した。 b.主 催 みどり教育財団(東京オフィス) c.期 日 平成8年5月23・24日・チャリティコンサート27日 d.演 奏 五嶋みどり(ヴァイオリン)伴奏ロバート・マクドナルト゜ e.会 場 ラジャヌクール(タイ)23日 f.交付金額 1,500,000円 [3] 第20回全日本太鼓フェスティバル a.内 容 日本全国より各地を代表する51団体が参加し、全国の日本太鼓を披露し、和太鼓の普及施行の一助とした。 b.主 催 全日本太鼓連盟 c.期 日 平成8年6月9日 d.会 場 宮崎市総合体育館 e.交付金額 1,000,000円 [4] 和太鼓チャリティコンサート a.内 容 高円宮・宮妃両殿下の出席のもと、打法と構成の異なる7団体の日本太鼓チームを紹介することにより、在日外国大使・政財界のリーダー達に、日本太鼓を広く認識してもらうことを目的にして実施した。なお、チャリティー募金約100万円は、WWFJapanの石垣島・白保のサンゴ礁保護研究センターのために寄付した。 b.主 催 世界自然保護基金日本委員会(WWFJapan) c.期 日 平成8年6月21日 d.会 場 東京・草月ホール e.交付金額 4,988,769円 [5] 日本太鼓全国講習会(2回) a.内 容 日本各地の日本太鼓愛好者を対象に演奏技術の取得・向上及び指導者の育成のための講習会を実施した。 b.主 催 全日本太鼓連盟 c.交付金額 1,000,000円(各500,000円) ・第20回 日本太鼓全国講習会 d.期 日 平成8年6月22・23日 e.会 場 長野県・穂高町民会館 f.講 師 小口大八、古屋邦夫、松枝明美、龍・連山、高野右吉、長谷川義、羽土治 計7人 他補助講師9人 ・第21回 日本太鼓全国講習会 d.期 日 平成8年11月22・23日 e.会 場 千葉県成田ピューホテル(23日) 中台運動公園体育館(24日) f.講 師 小口大八、古屋邦夫、龍・連山、高野右吉、月星鎮一、 計5人 他補助講師9人 [6] 吹奏楽指導者指揮法講習会 a.内 容 合奏の指導者として必要な指揮法及び合奏法を中心にした講習会を全国5カ所で開催し、指導者の技術向上を目指し実施した。 b.主 催 日本吹奏楽指導者協会 c.期日及び会場 (a) 平成8年7月7日 大麻高校(北海道江別市) (b) 〃 10月10日 西南部中学校(石川県金沢市) (c) 〃 12月1日 畝傍中学校(奈良県橿原市) (d) 平成9年2月2日 熊本県立劇場(熊本県熊本市) (e)〃 2月9日 上田公民館(岩手県盛岡市) d.講 師 川本統脩、和田良枝 e.交付金額 1,000,000円 [7] ミューゼシード「コンサートシリーズ イン サントリーホール」 a.内 容 若い演奏家達に演奏の場を提供し、育成の場とする。また解説を交えたコンサートは一般聴衆にクラシック音楽をより親しみやすいものにした。 b.主 催 ミューゼシード c.期 日 平成8年4月22日 イタリア・もうひとつの音楽史 〃 7月23日 音楽による世界の旅 〃 11月25日 トランスクリプション編曲の世界 平成9年2月22日 〈別れ〉の音楽 d.会 場 東京・サントリーホール 小ホール e.出演者 延べ61人 f.交付金額 1,000,000円 [8] JASTA飯岡 ’96サマーミュージックスクール a.内 容 弦楽奏者・指導者を対象に弦楽指導法、技術向上等を目的に実施した。 b.主 催 日本弦楽指導者協会 c.期 日 平成8年8月2〜6日 d.会 場 長野県・飯綱高原ホテルアルカディア e.講 師 香西理子、沼田園子、山岡耕作、田中千香士 他10人 f.交付金額 1,500,000円 [9] 第57回マーチングバンド・バトントワーリング指導者研修会 a.内 容 マーチングバンド指導者の育成と指導法の向上を目的とした講習会を実施した。 b.主 催 日本マーチングバンド指導者協会 c.期 日 平成8年8月17〜21日 d.会 場 新潟県・妙高高原池の平 e.講 師 松浦喜一、高山アイコ、山崎昌平、他 計27人 f.交付金額 1,000,000円 [10] JAO中部地区アマチュアオーケストラクリニック a.内 容 豊橋交響楽団を中心とする中部地区9団体を対象に基本的な奏法や演奏技法をパート別に指導。またオーケストラの総合練習を通じて全体のバランスや曲の構成等の講習を実施した。 b.主 催 (社)日本アマチュアオーケストラ連盟 c.期 日 平成8年9月8日 d.会 場 愛知県・ライフポートとよはしコンサートホール e.講 師 三浦章宏、宗川俊輔、井野邊大輔、佐々木正治、吉永洋 f.交付金額 700,000円 [11] 日中国交回復25周年記念日中オペラガラコンサート a.内 容 日中国交25周年を記念して、日中若手歌手の共演によるオペラを通じて日中の青少年の交流を図る目的に実施した。 b.主 催 (社)日中青年研修協会 c.期 日 平成9年1月21〜23日 d.会 場 東京国際フォーラム・ホールC e.出演者 中国側 若手トップ5人、日本側8人 大町陽一郎指揮、東京交響楽団 f.交付金額 1,000,000円 [12] エイパ1997公開レッスン&コンサート a.内 容 全国から二重奏以上の構成の16グループを募集し室内楽の指導を公開し、併せてその指導者によるミニコンサート及び受講者の発表演奏を実施した。 b.主 催 日本アマチュア演奏家協会(APA) c.期 日 平成9年2月16日 d.会 場 東京都新宿区・日本青年館ホール及び会議室 e.講 師 SAWAクワルテット(澤和樹、大関博明、市坪俊彦、林俊昭)他2人 f.交付金額 1,000,000円 [13] 全日本学生音楽コンクール50周年記念ガラコンサート a.内 容 特に注目される過去10年間のコンクール第1位入賞者とコンクール出身者で第一線で活躍している音楽家がオーケストラと共演し、我が国の若手音楽家の装の厚さを広く知らしめるため実施した。 b.主 催 毎日新聞社(文化事業部) c.期 日 平成9年3月4日 d.会 場 東京芸術劇場 大ホール e.出演者 49回小学校ピアノの部 前田拓郎 49回中学校ピアノの部 佐藤由美 48回小学校ヴァイオリンの部 庄司紗矢香 47回中学校ヴァイオリンの部 長原幸太 44回高等学校フルートの部 浅生典子 46回大学一般声楽の部 森麻季 31回小学校ヴァイオリンの部 渡辺玲子 27回中学校ピアノの部 小山実穂恵 指揮 円光寺雅彦(23回中学校ピアノの部) 東京交響楽団 f.交付金額 1,000,000円 [14] 東京銀座ジュニアオーケストラ楽器購入 a.内 容 設立直後のオーケストラとして団員(子供)では購入が難しい、ヴィオラ(ヴァイオリンからコンバートのため)及びコントラバス(子供では運搬困難なため)を購入した。 b.主 催 東京銀座ジュニアオーケストラ c.期 日 楽器購入日平成9年3月10日 d.購入楽器 ヴィオラ(弓、ケース付)8挺 コントラバス(弓、ケース付)2挺 f.交付金額 1,800,000円
■事業の成果
(1) 演奏会 [1] コントラバス・レクチャー・コンサート 一般的に日本では、コントラバスの奏法は、フランス弓奏法とドイツ弓奏法による演奏が共存している。この二つの奏法の相違と特徴をレクチャーと実際の演奏によって理解し、コントラバスの魅力を探ることができた。 コントラバス奏法の比較に着眼点を置いたコンサートは、日本で初めての試みであった為、コントラバス関係者からは、継続して実施して欲しい旨の要望が多く寄せられ、又、一般来場者からは、日頃、伴奏楽器程度の認識しかなかったが、幅広い音域があるコントラバスの魅力を十分に堪能した、楽しい演奏会であったとの声が多かった。 更に、両演奏者の協力により、コントラバス奏者を対象に、公開クリニックを開催した結果、身近に演奏法の違いを認識することができ、今後の演奏技術の向上に役立つものと評価された。 京都で初のクラシックの殿堂として建設された京都コンサートホールで開催できたことは、東京を中心に活動を展開している当財団の関西地区での将来の演奏会事業の足がかりとして有益であった。 [2] ふたつのストラディヴァリウスの夕べ 本事業を通して当財団の貸与事業が国際的規模で実施していることの理解と、音楽文化の向上に寄与することができた。 開演前の雰囲気づくりに始まり、実際の演奏では、名器ストラディヴァリウスの妙音とその比較、又、一流演奏家の演奏技術を堪能いただいた。 当財団の演奏会においては、欧米等に見られる来聴者同士の親睦を奨励する当財団の演奏会スタイルが、コンサートカルチャーとして積極的に受け入れられ、定着する兆しが見え始めた。 演奏会の企画から、きめ細かい実施まで当財団職員の手で行うことによって、演奏会開催のノウハウを更に研鑽することができた。 (2) 音楽助成金の交付 当財団が援助することにより、資金面において、内容、規模等、より充実した事業の展開が実施可能となり、より活性化することができた。それぞれの団体が、その目的をより充実させることにより、今後一層の飛躍が期待できる。ひいては各種音楽の普及の推進、及び文化の振興の寄与したと思われる。
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