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■事業の内容

(1) 国際観光シンポジウムの開催
 [1] 国際観光交流促進シンポジウム
  a.テーマ   「旅行を通しての国際観光交流を考える」
  b.構成・内容
   (a) 基調講演  講師 白幡 洋一郎   国際日本文化研究センター教授         
   (b) 事例発表  海外 オーストラリア  ジョン・ハッチソン
                      オーストラリア政府観光局(本局)局長
              タイ       古賀 伸
                       ドシットホテルズアンドリゾーツ次席
                       副社長
           国内 岡山県      山上 弓人 岡山県国際交流課           
   (c) パネルディスカッション
           コーディネーター    安部  功 大阪薬科大学教授
           パネリスト       井戸 智樹 歴史街道推進協議会
                            事務局長
                       上原 恵美 滋賀県・仮称びわ湖ホール
                             開設準備局局長
                       清水洋一郎 (株)日本交通公社関西営業本部
                             営業開発部長
  c.開催日   平成8年11月7日(木)
d.開催場所  大阪府泉佐野市りんくう国際会議場
  e.参加人数  観光関係者を中心に約200名
  f.アンケート調査
         平成8年8月下旬に近畿9府県の各市町村他、関係団体計509団体を対象とし、計345団体から回答を得た。
  g.報告書の作成、配布
   (a) アンケート調査報告書  A4版 25頁 和英併記 
                 750部 
   (b) シンポジウム報告書   A4版 106頁 和英併記
                 1000部
   (c) 地方自治体関係者、観光関係団体等に配布
 [2] 都市観光シンポジウム
  a.テーマ   「アジア太平洋観光交流時代の魅力ある都市のあり方を考える」
  b.構成・内容 
   (a) 基調講演  倉光弘己 神戸大学教授
   (b) パネルディスカッション
     コーディネーター   田口 芳明  奈良産業大学教授
     パネリスト      橋爪 紳也  京都精華大学助教授
                B.マクラミン バンクーバー観光局
                桝井 二郎  神戸市産業振興会
                村上 和子  サンテレビ参与
  c.開催日   平成8年10月29日(火)
  d.参加場所  神戸国際会議場
  e.参加人数  200名
  f.報告書の作成、配布
   (a) 題 名  「APTEC都市観光シンポジウム報告書」
   (b) 数 量   1000部
   (c) 仕 様   A4版 100頁 和英併記 一部多色
   (d) 内 容   和英両分による報告書
   (e) 配布先   地方自治体、政府観光局、観光団体、旅行・航空関係者及びカナダ観光代表者等
(2) シルクロード等観光開発途上国地域の観光交流促進調査事業
 [1] シルクロード観光促進委員会開催
  a.委員構成及び人数  運輸省、学識経験者、観光関係団体、地方公共団体(15名)
  b.開催回数      3回
 [2] 調査団の派遣
  a.調査団の構成 団長(シルクロード観光促進委員会委員長)他7名
  b.派遣先    中国
  c.派遣期間   平成8年10月12から21日まで
  d.派遣人数   8名
  e.派遣対象者  学識経験者、観光関係団体
  f.報告書の作成、配布
   (a) 題 名   「シルクロード地域各国環境情報収集調査中国(河西回廊)偏」
   (b) 仕 様   A4版 95頁
   (c) 数 量   500部
   (d) 内 容   調査目的及び調査結果に基づき国際観光振興及び国際観光交流促進のための提言
   (e) 配布先   我が国関係行政当局、各国政府観光局、観光関係団体、地方公共団体、学識経験者及び大学等
 [3] シルクロード・セミナー
  a.演題及び講師 「シルクロードの魅力」
           樋口 隆康 京都大学名誉教授
                シルクロード学研究センター所長
          「正倉院とシルクロード」
           米田 雄介 文学博士
                 宮内庁正倉院事務局長
          「宇宙から見たシルクロード」
           坂田 俊文 東海大学教授
                 東海大学情報技術センター所長   
  b.報告書の作成、配布
   (a) 題 名   「奈良シルクロード・トラベル・フォーラム」
           セミナー講演集
   (b) 仕 様   A4版 50頁
   (c) 数 量   500部
   (d) 配布先   我が国関係行政当局、各国政府観光局、観光関係団体、地方公共団体、学識経験者及び観光学科設置大学等
(3) 世界の観光統計の収集・分析及び情報提供業
 [1] アジア太平洋地域の観光市場動向
  a.題 名   「1995年国際観光概観」−−世界観光機関(WTO)による特別報告−−
  b.内 容   世界の観光市場動向に関する最新の概況
  c.印刷物   
   (a) 数 量   1500部
   (b) 仕 様   A4版 28頁 表紙のみ色刷り
   (c) 配布先   アジア太平洋諸国行政機関、政府観光局、観光関係団体、地方公共団体、学識経験者及び観光関係団体等
 [2] 観光統計 − 国別目的地別アウトバウンド旅行者数
  a.題 名   「世界観光統計資料集」−−国別目的地別アウトバウンド旅行者数
  b.内 容   主要25カ国の目的地別海外旅行者数
  c.印刷物
   (a) 数 量   1500部
   (b) 仕 様   A4版 84頁 表紙のみ色刷り
   (c) 配布先   アジア太平洋諸国行政機関、政府観光局、観光関係団体、学識経験者
(4) 観光に関する学術研究の振興
  a.テーマ   「観光振興又は観光開発にタイする提言」
  b.内 容   観光に関する学術研究論文の公募及び入選者への研究助成
  c.期間等   募集期間 平成8年10月18日〜12月16日
         表彰式  平成9年3月1日
(ホテル日航関西空港)
  d.審 査   審査委員8名による審査委員会を設置した。
  e.報告書の作成、配布
   (a) 題 名   「観光に関する学術研究論文(第2回)」入選論文集
   (b) 数 量   300部
   (c) 仕 様   A4版 46頁 表紙のみレザック2色
   (d) 内 容   入選論文および講評等
   (e) 配布先   関係行政機関、観光関係団体、学識経験者、応募者

■事業の成果

(1) 国際観光シンポジウムの開催
 [1] 国際観光交流促進シンポジウム
   関西圏の509の自治体、観光関係団体に、各々の地域における国際観光交流の実態を把握するためのアンケート調査を実施し、国際観光振興については興味はあるが、先ず国内観光振興が必要であるとの認識、また国際観光を支えるノウハウ及び、人材の不足が指摘されるとともに、大多数の自治体では積極的な取組が出来ていない等の回答を得た。
   その結果をもとに、基調講演においては観光旅行の意義を再確認するとともに、事例紹介においては上述のアンケートで要望があった具体的な国際観光交流の促進実例を提示した。まとめのパネルディスカッションに於いては、地域にとっての国際観光交流促進の手法を探り、「一村一交流」の提言の形にまとめることができた。
   200名を超えた聴衆との質疑の中では活発な意見交換が行われ、地方自治体関係者に加え、観光に携わる各種団体、企業等の幅広い参加者に対し、今後の国際観光交流促進の意義を、啓発することができた。
   また、本事業はNHK、朝日新聞他のマスコミの関心を呼び、広く報道されたことにより、国際観光交流に対する一般の認知度を高めることに役立った。
   さらに、報告書の配布により、国内および海外の観光関係者、関係団体に地域レベルの国際観光交流促進についての意義を広く深め、今後の観光を媒体とした国際交流拡大に大いに貢献するものと期待される。
 [2] 都市観光シンポジウム
   本シンポジウムは「アジア太平洋観光交流時代の魅力ある都市のあり方を考える」をテーマにアジア太平洋地域との観光交流の拡大に向けて都市の役割を都市型観光の視点から考察する目的で実施された。
   日加観光定期協議と同時開催とした結果、地元の関心も高く一般参加者とカナダの参加者の間の交流の場にもなり、また観光先進国であるカナダの専門家を加えたパネルディスカッションを通じて得られた貴重な提言は、具体的な都市型観光の振興への取り組みに寄与した。
(2) シルクロード等観光開発途上国地域の観光交流促進調査
  本事業は、シルクロード関係諸国の豊富な歴史的資源の活用により観光交流を促進し、もって経済的発展に資するための基礎的資料を収集することを目的に、基本的に我が国を出発点としたシルクロードと各国間にまたがる観光促進のあり方、国際間輸送の簡易化のための国際間の協力体制の確立及び持続可能な観光促進と歴史的観光資源の保護などについて、具体的な調査を行った。その結果、中国をはじめとする関係諸国の観光振興の一助となると同時に、その調査の成果を「奈良シルクロード・トラベル・フォーラム」で発表し、観光分野における国際的協調の促進に寄与した。
(3) 世界の観光統計の収集・分析及び情報提供事業
  アジア太平洋地域の国際観光交流の促進を図るうえで、旅客の動向を把握する観光統計とその分析は必要不可欠である。本資料を作成することにより、主要送り出し国別による訪問国への旅客数が全体として把握できるようになった。全世界を網羅した観光状況資料は、本資料以外に整理したものはないため、観光関係行政機関、観光団体、観光業者には基礎的、実用的なマーケティング資料として、また観光学研究者には研究資料として広く活用が期待され、観光の振興に寄与するものと思われる。
(4) 観光に関する学術研究の振興
  広く国民レベルにおける余暇の増大、歴史的、文化的資産や自然への関心の高まり、行政レベルにおける地域の振興、雇用促進などの観点から従来は旅行関連業界、観光収入に依存度の高い地方などに留まっていた観光に対する認識が高まった結果、観光振興、観光開発、人材養成など観光に関わる広範なニーズに応える観光学の構築と発展がますます重要になっている。
  本事業は、観光に関する学術研究を振興するために、観光学関係の研究者、学生、観光・両港関係の実務従事者、行政担当者などに研究助成を行うために「観光振興又は観光開発に対する提言」をテーマに研究論文を募集した。応募論文の内容は外国での調査に基づくナショナル・トラストにおける環境保存とマスツーリズムの関係を取り上げたものなどを含み、また日本で研究している中国人、韓国人からの応募も見られるなど、質の高い論文が広範な層から寄せられた。
  新しい観光学の構築を含め、今後の観光学の発展及び振興に寄与するものと思われる。





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