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「海洋微生物による流出油処理に関する調査研究」の報告書

 事業名 海洋微生物による流出油処理に関する調査研究
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


■事業の内容

(1) 予備試験の実施
  実用化試験の準備として、分解率の向上を主たる目標とした、下記の予備試験を、平成7年度に引き続き実施した。
 [1] 加熱処理を行わない試験油の設定試験
 [2] 油の付着・浸透確認試験
 [3] 重要パラメータ同定試験
  a.栄養塩の投入方法による効果確認試験
  b.小型カラム試験
  c.加熱処理を行わない試験油による分解試験
  d.新たな原油添加による試験
  e.初期原油濃度と分解率との関係の把握試験
  f.溶存酸素濃度と原油分解率との関係の把握試験
(2) シミュレーションモデルの構築
  バイオレメディエーションの可能性・経済性評価の基準として、予備試験の結果(30日間のフラスコ試験のデータ)を基にした、シミュレーションモデルのプロトタイプを構築した。
(3) 実用化試験計画の補足、修正
  欧州におけるバイオレメディエーションの研究・実用化動向調査結果及び、予備試験の成果を踏まえ、平成9年度に実施する実用化試験計画(海浜模擬試験)について補足、修正を行った。
(4) 委員会の開催
  開催日及び主な審議事項(3回開催)
 [1] 第1回 平成8年7月20日(月)
  a.平成8年度事業計画
  b.平成8年度事業実施計画(案)
 [2] 第2回 平成8年12月10日(火)
  a.「海洋微生物による流出油処理に関する調査研究」経過報告
  b.平成9年度事業計画(案)
  c.平成9年度事業実施計画(案)
 [3] 第3回 平成9年3月10日(月)
  a.海洋微生物による流出油処理に関する調査研究」報告書(案)
■事業の成果

(1) 予備試験の実施
  平成7年度の試験の結果、原油分解の律速原因として油の性状、油の濃度及び溶存酸素濃度が挙げられたため、これを受けて平成8年度は、その各律速要員と分解率の関係を明らかにすることを狙いとした試験を実施した。その結果、次のことが明らかになった。
 [1] 加熱処理を行わない試験油(7日間経過した油)と加熱処理を行った試験油では、油の性状(粘度)には大きな差異がないものと確認した。
 [2] 油の付着・浸透確認試験では、2〜8mmの粒状の砂の場合、潮の干満を模擬した状態(波の影響がない状態)では平成7年度の結果と同じく、油の大部分は、約6cmの深さまでしか浸透しないものと考えられる。
 [3] 重要パラメータ同定試験の結果
  a.栄養塩の投入方法による効果確認試験では、投入方法(一括投入及び間欠投入)による効果を測定したが、明確な差異はなかった。これは、栄養塩投入量が多いため、微生物の菌密度が両者とも上限値に達していたたと思われる。
  b.小型カラム試験では、潮の干満を模擬した方法で実施したが、栄養湖の投入方法による分解率の変化は見られなかった。これは、干満を模擬する際、海水を完全に排水することにより、微生物の増殖が抑制されたためと考えられる。
  c.加熱処理を行わない試験油による分解試験では、加熱処理した試験油の分解率と差がない。
  d.新たな原油添加による試験では、初期濃度を低くして、新たに油を添加することで分解率が高くなる。
  e.初期原油濃度と分解率との関係の把握試験では、初期濃度が低い方が分解率が高い。
  f.溶存酸素濃度と原油分解率との関係では、溶存酸素濃度の高低による分解率の差はなく、1ppmの溶存酸素濃度が維持されれば十分である。

(2) シミュレーションモデルの構築
  30日間のフラスコ試験のデータをもとに、シミュレーションモデルのプロトタイプを構築した。まだプロトタイプの段階であるためシミュレーションは参考値にすぎないが、バイオレメディエーションの効果を推計した結果、30日の時点における分解率とほぼ同程度であることを確認できた。このことから、現時点におけるシミュレーションモデルの構築の方向性としては適性であると思われる。

(3) 実用化試験計画の補足・修正
  予備試験結果をもとに、平成9年度は、より実際的な試験としての海浜模擬試験を行う予定であるが、そのためには、フラスコ試験により分解率維持のための必要最小限の栄養塩濃度と、その濃度を維持するための投入方法(一括、間欠投入)を確認する試験を行う事が必要であることが明らかになった。
  なお、欧州におけるバイオレメディエーションの現状は、技術的には実用化できる段階であり、また、実験室レベルの分解率は約50%であることを確認した。





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