■事業の内容
(1) 地方分権に伴う国・地方の行政システムに関する調査研究 [1] 国内調査 a.調査研究内容 最近の地方分権をめぐる各種改革等の動きを再検証するとともに、地方分権に係わる現在の国・地方の行政システムの問題点を整理し、新たな国・地方、地方・地方間の連携、調整、協力等の行政システムの構造の検討、並びに、国・地方の内部の行政システムのあり方について提言を試みるため、検討を行った。 b.調査研究対象 ・国・自治体、地方6団体事務局、広域連合事務局等 c.調査研究方法 地方分権推進委員会等の各種資料を収集・分析するとともに、現地調査を行い自治体、各種団体等の担当者に面接調査を行った。 [2] 報告書の作成 a.部 数 300部 b.配布先 各省庁、地方公共団体、大学、図書館等 (2) 市民セクターと行政の連携に関する調査研究 [1] 海外調査 a.調査研究内容 諸外国における市民セクターと行政の関わりの実態及び問題点を明らかにし、我が国との比較を行うため、以下のとおり海外調査を実施した。 イギリス(ボランタリー組織、チャリティ制度等)、ドイツ(公益法人制度、社会福祉活動等)、オーストラリア(災害対策、福祉・文化・市民相談等)における市民セクターの社会的位置づけ、活動の実態、行政的役割等の検討。 b.調査研究対象 ・イギリス:自治体、ボランティア団体等 ・ドイツ:ドイツ同権奉仕会、赤十字社等 ・オーストラリア:州・市政府、ボランティア・センター等 c.調査研究方法 各国の自治体、ボランティア団体等の担当者並びに大学等の研究者に面接調査を行うとともに、各分野に関する資料の収集・翻訳を行った。 [2] 国内調査 a.調査研究内容 我が国おける市民セクターと行政の連携の実態等を調査研究するため、市民セクターに関する研究動向の分析、市民セクター及びその行政との係わり方の類型化を図るとともに、国内で現地調査を行い、自治体に市民セクター支援政策、地域社会文化の創造と市民セクターの係わり、市民セクターの組織管理等について研究を行った。 b.調査研究対象 ・自治体、ボランティア団体等 c.調査研究方法 自治体、ボランティア団体等の担当者に面接調査を行うとともに、各分野に関する資料の収集・分析を行った。 [2] 報告書の作成 a.部 数 300部 b.配布先 各省庁、地方公共団体、大学、図書館等 (3) 行政管理普及促進事業 [1] 近年、我が国の大学において顕著な行政学、公共政策に関連する領域を研究・教育する学部の新設、学科の改組、カリキュラム改訂の実態を調査・検討した結果を整理し、最近の行政管理研究等の実態を紹介するため、次の資料を刊行した。 「大学における行政学・政策科学教育の現状」(行政管理普及促進資料) [2] 我が国の行政管理と行政改革の現状を広く諸外国に紹介するために、前年度に引き続き総務庁年次報告書を抄訳し、英文で“Administrative Management and Reform in Japan. 1997”として刊行した。
[3] 次の内容で、行政管理研究会を開催した。 「行政学・公共政策とシンクタンク」平成9年1月7日 基調公演:「行政学・公共政策研究における大学・シンクタンクヘの期待」 外山 公美(日本大学法学部専任講師) パネルディスカッション: 「大学シンクタンクにおける研究・教育の動向」 司 会:外山 公美(日本大学法学部専任講師) パネラー:石上 泰州(北陸大学法学部助教授) 桑原 勇進(東海大学法学部専任講師) 牛山久仁彦((財)地方自治総合研究所研究員) [4] 次の内容で、行政管理シンポジウムを開催した。 a.行政管理シンポジウム:東京 「情報公開の進展を目指して」平成9年2月14日 基調公演:「情報公開と行政改革」 藤原 静雄(国学院大学法学部教授) パネルディスカッション: 「情報公開の進展を目指して」 司 会:大宅 映子(ジャーナリスト) パネラー:宇賀 克也(東京大学法学部教授) 千葉 和廣(東京都政策報道室都民の声部情報公開課長) 三宅 弘(弁護士) 稲葉 清毅(群馬大学社会情報学部教授) b.行政管理シンポジウム:金沢 「市民と行政の新たな関係の構築に向けて」平成9年2月27日 基調公演:「地方分権と行政のあり方」 本多 弘(日本大学法学部教授) パネルディスカッション: 「市民と行政の新たな関係の構築に向けて」 司 会:西尾 隆(国際基督教大学教養学部準教授) パネラー:堀喜 代治(北國新聞社論説委員会副委員長) 宮西香津子(石川県婦人団体協議会会長) 石上 泰州(北陸大学法学部助教授) 山本 康夫(石川県県民文化局県民交流課長) (4) 国際研究交流等事業 [1] アジア太平洋地域行政学会代表者会議の開催 国際行政学会第3回国際会議(1996.10(於)北京市)に出席したアジア太平洋地域の行政学者、行政実務家から同地域における行政研究、行政運営の実態を把握し情報交換を図るため、平成8年10月10日「アジア太平洋地域行政学会代表者会議」を開催した。 (5) 行政管理制度の国際比較に関する文献、資料の案内事業 [1] 資料整備内容 行政管理研究の充実及び国際協力・交流の促進に資するため、主要諸外国の行政管理制度(10分野)についての国際比較に関する各種文献資料等を体系的に把握し、便覧を作成した。 [2] 資料整備対象分野 定員、組織、人事、情報、財政制度、行政監査、国・地方関係、行政改革、国際協力、統計行政 [3] 報告書の作成 a.部 数 300部 b.配布先 各省庁、地方公共団体、研究者、大学等
■事業の成果
今日、我が国は、社会経済事情の急激な変化及び国際化の進展に伴い、新しい時代に即応する行政の組織や運営の合理化、効率化を図ることが強く求められており、その推進を効果的にするための行政管理機能の拡充が緊急の課題となっている。
本事業は、行政管理に関する内外の諸制度の実態について調査研究を行い、国及び地方の行政における今後の行政管理の方策を明らかにするとともに、行政管理に関する普及活動を実施し、もって行政の近代化の推進に寄与したものと思われる。
|
|