日本財団 図書館


■事業の内容

「危険物の国際基準策定に関する調査研究」
 国連危険物輸送専門委員会(国連委員会)第12回小委員会及び第19回委員会における検討課題全般については、危険物輸送国連対応委員会(国連対応委員会)、同第一部会並びに同第二部会及び関係作業部会を開催して検討した。
 国連委員会の議題中「反応性物質の危険性評価試験としての圧力容器試験の策定」については、平成7年第10回小委員会で採択された我が国提案がオランダとの共同研究となり、今年度もその研究経過を報告している。
(1) 委員会の開催(国内)
 [1] 委員構成:学識経験者9名、関連業界実務者6名
        及び官庁関係者10名(合計:25名)
 [2] 危険物輸送国連対応委員会第一部会圧力容器試験部会
   委員構成:学識経験者2名、関連業界実務者7名   
        及び官庁関係者7名(合計:16名)
 [3] 危険物輸送国連対応委員会第二部会
   委員構成:学識経験者1名、関連業界実務者17名   
        及び官庁関係者8名(合計:26名)
(2) 国連委員会への対処(海外)
  国連委員会第12回小委員会には、田村昌三委員及び八十川欣勇委員が出席し新国連圧力容器試験に関する検討結果の報告を行い、第19回委員会には八十川欣勇委員が出席し、国際基準に関連して国連対応委員会の検討結果である対処案に基づき各種案件について我が国の意向を表明するとともに国際的動向の調査及び関係者との意見交換を行った。

■事業の成果

国連危険物輸送専門家委員会は、日本、欧州主要国、米国等をはじめとする21カ国及びIMO(国際海事機関)、ICAO(国際民間航空機機関)、IAEA(国際原子力機関)等国際機関が参加し、各運送モードに共通な危険物輸送に関する国際意見を反映することは、わが国の危険物海上運送に係わる主官庁及び関係業界にとって極めて重要なことと認識されている。本事業においては、国連危険物輸送専門家委員会の検討課題を討議し日本提案を策定することを目的として危険物輸送国連対応委員会を設置しこれに対応している。
 本年度は、2回にわたる国連委員会の各種検討課題に対応するとともに昨年度日本提案として「反応性物質の危険性評価試験としての圧力容器試験の策定」を提案し採択され、その後オランダと共同提案の形となり、来年度に最終的な新国連圧力容器試験法を策定するべく検討中である。この検討経過報告を第12回小委員会に行い危険物輸送国際基準の策定に寄与することができた。
 また、危険物輸送に関する国際舞台における動向を調査し危険物の海上輸送関係官庁及び関係業界に貴重な情報を提供することができた。
 これら本事業の国際的活動は、結果として我が国の危険物海上安全運送基準の策定にも貢献した。





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION