はじめに
FORUM Em. Bridgeは、二一世紀に向かって豊かな社会を創っていくための架け橋として″フィランソロピー″に注目しようという私の提案に賛同してくださった、六人の世話人の皆さんの主催のもとに開催したものであります。
日本においては、このフィランソロピーは、今まさに芽生えつつあるという状況にあります。この芽を大事に育て上げ、豊かな未来を築いてゆくため、九六年を初回として三年間にわたり討論を重ねたく考えております。
初回を飾るこの度のフォーラムは、名簿に示すように、ダニエル・ベル氏をはじめとして国内外から三五名のオピニオンリーダー各位にご参集いただき、二日間にわたって白熱した討論が繰り広げられました。世代や分野を超えた多士済々の皆さんが外国の代表的知的先覚者との意見交換を通じて、将来の方針を見出す場となることを願うものであります。
この結果は、「高度知識社会における公と私」のテーマに沿って、ベル氏と私の基調講演論文と、討論を包括した加藤秀俊議長の書き下ろし論文、及び坂井利之、坂本春生、中村桂子、土野繁樹、